第1288話 帰還
「ハルノブ。」
「まぁま!!まぁま!!」
一足早く帰ったサリナはハルノブと感動の再会を果たしていた。
ハルノブはサリナを探して泣いており、やっと見つけたサリナに抱かれると安心したのか眠り始める。
「うむ、やはりハルくんにはサリナさんが必要じゃな。」
アキラは満足気にその光景を眺めている。
「アキラさん、今回はありがとうございます。」
サリナはあらためて礼を言う。
「気にすることはない、ハルくんのママを助けるのは当然の事じゃ。
まあ心残りは犯罪者共を皆殺しにせんかった事じゃが、ヨシノブがせぬようなら今一度行くしかあるまいな。」
アキラは始末をヨシノブに任せただけであり、望む結果で無い場合は再び襲撃する予定だった。
「ちゃんと更地にして来ました。」
「ヨシノブ戻ったか、お主は甘いところがあるからのぅ、ヘルマンどうじゃ?」
「ルーデルとおとうさんの一撃が城を更地にしておりました。」
「ヘルマンが言うなら大丈夫じゃろ、ヨシノブ今回の一件は余所に舐められた事が原因じゃ。
普段からたとえ神とて始末する事を伝えるのが大事じゃぞ。」
「神を始末って・・・」
「簡単じゃ、あやつらとてやり方次第で始末出来る。」
「ええ、今回の一件で出来ることはわかりました。」
「あ、あの、ヨシノブさん何をしてきたんですか?」
状況を知らされていなかったミルフィが恐る恐る聞いてくる。
「ミルフィさん、サリナが拐われてしまってまして取り返して来たところなんです。」
「・・・アキラさんも一緒に?」
「一緒というか一足早くに行かれましたね。」
「・・・何処の世界が終わったんですか?」
「世界が終わるってオーバーですよ、ちょっと一つの城が無くなっただけですよ。」
「城ですか、それぐらいで済んだと思えば被害は軽微というべきですね。」
サリナも無事であり、城が一つならまだ良かったと思うべきだろう、ミルフィは世界崩壊が起きなかった事に安堵する。
「ねぇ、ミルフィ、ちょっといい?」
「なに?フーフ?」
「これ見て・・・」
フーフはタブレットを見せてくる。
見せてきたのは神界で起きたことを伝える情報ツールなのだが、そこにはアマテラスの息子ヨシノブが一級神界ルシィラに侵攻、瞬く間に居城を攻略、多くの神々が生死不定であり、最高神オルデンの姿も発見されていないと出ていた。
「ルシィラって!地球ほどじゃないけどかなりチカラのある世界じゃない、そこの最高神を倒すなんて・・・」
「侵攻理由はヨシノブさんの妻サリナさんを拐った事にあるって出てるから非難する神々はあまり出ないと思うけど、ヨシノブさんの戦力がここまで強いなんて・・・」
フーフは自分達の世界が終る未来を感じるのだった・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます