第504話 レンの身柄は

ビザ家のレンは未だに命を繋いでいた。

賄賂とエルフの奴隷販売の件で多額の賠償金を請求されはしたものの、噴火の影響もあり、賠償金は保留されていた。

だが一応、刑は確定したと思われるのだが、未だに釈放もされていない。


「いったいどうなったいるんだ!」

レンは苛立つ、屋敷に軟禁されていた貴族が一人、また一人と姿を消していき、数が少なくなっている、そんな中刑罰を受けた筈の自分が未だに囚われている事に不満と不安を持つ。


「兵士よ、私の釈放はいつになるのだ?」

「ぷっ、釈放ですか?」

兵士は思わず笑う。

「何がおかしい!貴様不敬であるぞ!」

「いやいや、失礼。釈放されるつもりの貴方が滑稽な見えただけにございます。」

「いうに事欠いて、我を侮辱する気か!」

レンは兵士に怒りを向ける。


「ええ!侮辱しても問題無いですよ。

だって貴方は死刑が確定してますから。」

「なに?」

「騎士団長様がガラハとかいう重犯罪者を探していますから、それが見つかれば一緒に死刑を実行するそうです。」

「ガラハ?誰だそれは?」

「しらを切るおつもりですか?まあ、それもいいのでは?

ですが騎士団長様に通用するとは思えませんが。」

「いや、何の事かサッパリわからない。」

レンは一体何の事かサッパリわかっていなかった。

ズムの治安維持を任せていたとはいえ、下級役人の一人であるガラハを記憶に止めていなかった。

ましてや、自分の罪に繋がるなどとは夢にも思っていない。


「隠されているかも知れませんが騎士団長様に通用しないと心得てくださいね。」

兵士はレンから離れていく。

「だから、何の話だ!おい聞いているのか!」

兵士はレンの言葉を無視しており、

レンの頭には兵士の言葉に不気味な感じを受けるのだった。


一方、ガラハは・・・

「山が火を噴くなんてついてないね。」

「お頭、どうしますか!」

「お頭なんて呼ぶんじゃないよ!

まあそうだねぇ、ひとまずクシズ山から離れるよ、全員バオアに向かう、あそこは難民を受け入れているそうだからね。

経歴がバレずに侵入できそうだよ、何せ今統治しているのがお人好しのルマの坊っちゃんだからね、上手くいけばもうひと稼ぎ出来るよ。」


ガラハ一行はひとまずバオアに避難することを選択する、近づいて来ているマックスの存在を知るよしは無かった・・・

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