第489話 マックスの帰還

王都に帰ったマックスを待ち構えていたのは・・・


新たな命令書を持った文官だった。

「マックス、やはり勅命を無視したのはまずかった、ここは謝罪して任務に戻ろう。」

ネルソンは顔を青くして使者を迎える。


「ネルソン、何をビビっておる、俺は何も恥じるところは無い、あれはきっとカルラさんに会えと言う命令に決まっておる。」

「そんな命令出るかよ・・・」

任務放棄をしたマックスは恥じることなく堂々としている、まるで横でなだめるネルソンが間違っているかのように・・・


「マックス伯爵、任務の途中で申し訳ないが新たな勅命が出た、謹んで拝命致せ。」

「承知した。

・・・なに?俺に罪を裁けと?」

マックスは受け取った命令書をそのまま開封して確認すると中にはレンを含む貴族達を裁くようにとの命令が来ていた。


「ふむ、命令なら仕方ない、ネルソン証拠となる資料を受け取っておいてくれ。」

「それはいいが、お前はどうする?」

「決まっている、これよりヨシノブの屋敷に行ってカルラさんに挨拶してくる。」

「いいか、マックス、最初に挨拶すべきはヨシノブ殿だぞ。

礼儀を忘れるなよ。」

「ネルソン、カルラさんが出迎えてくれるのだからカルラさんが先になるに決まっておろう。

まあ、お義父さん(ヨシノブ)にも挨拶するに決まっているが。」

「呼び方!!

お前はヨシノブ殿の子供じゃないからな!」

「時間の問題だ。」

ネルソンは頭を抱える、この馬鹿は時間を置くごとに悪化している気がする。


ネルソンが頭を抱えている中、マックスは知らぬ顔をしていた。


そして、悩むネルソンを置いてマックスはヨシノブの屋敷に向かったのだった。


屋敷の周辺は鬼が徘徊する状況だっがマックスを含め騎士団は気にすることなく、屋敷に向かう。

「おう、酒天殿、貴殿がおられるということはヨシノブも屋敷にいるのか?」

「御父君は在宅である。

だが、マインズ王国とトラブルになっていると聞く、騎士団を連れてきている貴殿を通していいものか・・・」

「この程度の数、貴殿らだと物の数では無いだろ?」

「そうだが・・・」

「ふむ、不安ならコイツラは帰らせよう。ほれ、さっさと帰れ。」

「ズルいですぜ、団長!俺たちも天使に会いに来たんだ!」

「帰るなら団長が帰れ!」

騎士団員から不満がでる。

彼らも充分に病に侵されているのだった。

「黙れ!騎士団長に逆らうとは・・・酒天殿あいつらは謀反人です、痛めつけてくれて構いません。」

「団長こそ邪な生き物じゃないか!酒天様、いっそ団長を叩きのめしてください。」

騎士団の醜い押し付け合いを鬼達はため息混じりに眺めていた。


「酒天さん、何の騒ぎですか?

あれ、マックス様どうなさいましたか?」

屋敷の前の騒ぎを聞きつけカルラが様子を見にやってきたのだった。

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