第475話 反省

オットーがメイド服で給仕をして数日がたった。

俺は最初は何かふざけているのかと思っていたがどうやらそうじゃないようだ。

「シモ、何でオットーが女装してるか知ってる?」

「にゅ!しらな・・・知ってるのよ。」

シモは一度言い淀んだが、言い直して知っていると言う。

「何でか教えてくれるかな?」

「みんな、ごめんなのよ、おとうさんに嘘はつけないのよ・・・」

シモは全てを白状する。


「みんな此処に座りなさい。」

俺は基地にいる子供達を集める。

集まってきた子供達はヨシノブの横に正座しているシモを見て固まる。

「おとうさん・・・これはその・・・」

ヘルマンが代表して答えようとするが・・・

「話はシモから聞いたよ、罰で一ヶ月間女装を強要したんだね。」

「そ、それは・・・」

ヘルマンは固まりつつもシモに目配せをする。


どこまで話しているか確認がいるからだ、シモもヨシノブに気付かれないよう、子供達の中で緊急用合図の手話を用いて情報の共有をはかる。

それで判明したのは・・・

オットーの判断でマインズ王国に借りを作ったことに対する罰で一ヶ月間女装しているとの事だった。


「シモ、何をやってるんだい?」

俺は手をパタパタしている、シモを注意する。

「うにゅ、ごめんなのよ。」


「ヘルマン、俺は君達はおりこうで自分達の事は自分達で出来ていると思っているけど、イジメをしていると言うなら、口を挟ませてもらうよ。」

「イジメなんてそんな・・・」

「ヘルマン、罰として雑務をさせることまでは良いと思う、だけど女装を強要することは駄目だ。」

「すいません。」

ヘルマンは頭を下げる。


「それにね、マインズ王国に借りを作ったっていいんだよ、必要なら俺が返せばいいだけなんだから。君達が責任を感じる必要は無い。」

「でも、僕達のせいでおとうさんに迷惑が・・・」

「君達は俺の子供なんだ、迷惑なんていくらでもかけてくれていいんだよ。」

「おとうさん・・・」

「さあ、オットーの罰は終わりだ、いいかい?」

「はい。」

「なら、もう終わりだね、立って、ほら。」

俺はヘルマンの手を取り立たせる。


「うにゅ、シモも。」

シモも手を伸ばしてくる。

「しょうがないな、ほらシモ。」

俺はシモの手を取るとシモは抱きついてくる。


そして、みんなを立たせて、オットーに謝らせる。

「オットーごめんなさい、僕達が調子にのってました。」

「いや、私・・・じゃない、僕も悪かったし、仕方ないよ。

みんなおとうさんに怒られたし、それでいいんじゃないかな?」

オットー自身は罰を受け入れており、みんなが怒られる姿を見て逆に申し訳なかった。


「もうみんなしないね?」

「はい。」

「よし、さあサリナがお菓子を用意しているからみんなで食べよう。」

俺は子供達を連れてサリナが待つ部屋に向かうのだった。

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