第473話 罰執行

今回の話は近況ノート、オットーの女装の話が少しでています。

読んでなくても内容としては影響がないと思います。

では、話をお楽しみください。

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「可愛いわ、オトリーヌ。」

「もうしないと決めたのに・・・」

オットーは女装と化粧によって女の子になっていた。


「オトリーヌ、まずは食堂で給仕をしてもらいます、男の子達の相手はオトリーヌの仕事よ。」

「ま、待てよ、こんな姿見られるわけにはそれに以前パウルにバレて大変だったんだぞ!」


オットーは以前にシモをからかいすぎて、メイドにさせられており、その際パウルにバレたのだった。


「大丈夫、今回は前より可愛くしてるわ。」

「そうじゃない!そうじゃないんだよ・・」

オットーは自分の姿を嘆く、化粧をしてスカートをはいて・・・


「グダグダうるさいのよ、オットー!男なら覚悟を決めるときがあるっておじいちゃんが言ってたのよ!」

「シモ、アキラさんが言っているのはこういう事じゃないからな!」

「そうよ、シモちゃん!オットーじゃないの、オトリーヌよ。」

リミが間髪入れずに訂正してくる。

「うにゅ、オットーじゃないのよ?」

「違うわ、オトリーヌよ!パウルの専属メイドのオトリーヌよ!」

「オトリーヌ?オットーはパウルの専属なのよ?」

シモは首を傾げる、腐っていないシモにはまだわからない世界だった。


食堂デビューを果たす、オットーだが、今回は男達にも告知されていた。

「オットー、何だよその姿は。」

「うるせえ!エーリヒ。」

「オットーちゃん、スカートの中のパンツはどうなっているんだ?」

テオドールは悪戯心でスカートをめくる。

「おい!めくるなよ!」

オットーはスカートを恥ずかしそうに押さえる。


「・・・やべぇ、少し可愛いと思ってしまった!」

「正気を取り戻せ!あれはオットーだぞ!」

「大丈夫だって、わかってるから。」

男の子の中に多少の動揺が走るが互いに殴り合う事で正気をたもっていた。


「いいわ、男の子達の葛藤が見えるわ。」

「カエデ止めようよ、オットーくんが可哀想だよ。」

「いいえマイ、彼の姿を収めて置くことが私の義務よ。」

カエデはオットーの姿を書きとめていく、その姿にマイはオットーに同情するのだった。  


そして、腐った魔の手はルージュにも届く・・・ 

「あれがオットーさん、凄く可愛い。」

「ルージュさん、あなたがオットーに想いを持っていることは報告にありましたが、見てください、あなたの想いで、パウルくんから引き離していいと思っているのですか!」

ルージュの目の前にはからかわれて取っ組み合うオットーとパウルの姿があった。

「尊い・・・」

ルージュの口から言葉が溢れる、


「ルージュさん、あなたは今入り口に立ちました。さあ、その扉を開けて心を開放するのです。」

ローザはオットー☓パウルの薄い本を見せる。


「でも、オットーさんへの想いも・・・」

「いいんです、その想いは別に持っても、大事なのはパウルくんの邪魔はしないこと、いいですね。」

「・・・はい。」

こうして、オットーの想いは踏みにじられていく。

一人の少女の暗黒堕ちとともに・・・

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