第472話 ルクスへ知らせが
シリアが幽閉された事はルクスの元に火急の使者が送られ伝えられる。
「シリアが幽閉?いったい何があったんだ?」
「ヨシノブ様に数々の非礼を働き、わが国にとの友好にヒビを入れたようにございます。」
「えっ、あのシリアがかい?信じられない・・・」
ルクスの前ではシリアは思慮深く、優しい女性であった、そのために使者の言葉を理解出来なかった。
「ルクス様の困惑もお解りしますが、ヨシノブ様のお子様達の話によると、移動中、反乱を起こし船を奪おうとしたという話にございます。」
「なんだと!そんな事をしたらあの子達だと・・・」
ルクスは子供達がどれ程危険かわかっている、船を奪おうなんてしたら殺されるしか無いだろう。
そして、今、生きているのは子供達がルクスに配慮している結果ということも理解出来た。
「はい、陛下も事態を重くみて、ルクス様との婚約を破棄した上、シリア様を幽閉しております。」
「・・・致し方ないとはいえ、私も長年婚約してきた身だ、一度シリアと話して、間に立てるようならヨシノブとの和解を願いたい。」
「ルクス様、それは危険では・・・」
「大丈夫だ、話すぐらいでヨシノブは怒ったりしない、子供達も道理を説けば問題はない。」
ルクスは使者とともに急ぎ王都に向かうのだった。
奇しくも、マインズ王国関係一同が王都に集まろうとしていたのだ。
一方、基地に帰ったオットーには裁判が待っていた。
「オットー、君は自らの欲望のために罪を捻じ曲げ見ず知らずの者に情けをかけた、相違ないかね?」
「ヘルマン議長、異議ありです。
俺は欲望に身を任せていません!
ルージュさんから話を聞いて反省してるなら、その基地で働いてもらってもいいかなって・・・」
「ほう、それならルージュさんに告白されても絶対断ると誓うのだね。」
「いや、それはね、ほら・・・」
オットーはシドロモドロになる、女の子に好意を持たれた経験の少ないオットーは自分に好意を向けてくれるルージュを憎からず思っている。
「議長、被告オットーがルージュさんに好意を抱き、我等を女性を裏切り、パウルの好意を踏み躙った事は明らかです、我等女性陪審員一同、オットーへの厳罰を求めます!」
女性を代表するかのようにリミが発言する。
「えっ、なにそれ、別に女性を裏切ったつもりは無いし、何でパウルの名前がでてくるの!」
オットーはリミの発言に首を傾げる。
「被告オットーは静粛に。」
「いや、おかしいだろ!」
「おかしくありません、これが私達女性陣の署名とオットーに求める罰です。
ヘルマン議長、検討の程をお願いします。」
女性全員の名前と罰として、基地内メイドとして一ヶ月間の勤務となっていた。
「メイドとしてか・・・」
ヘルマンは出された書類見て検討する。
「ちょ、ちょい、まて!メイドって何だよ!」
「メイドはメイドです。」
リミはサラッと答える。
「オットーも嫌がっているようだし、罰になるか。
被告オットー、君には一ヶ月間メイドとして職務をしてもらう。」
「おい!待てよ!ヘルマン!おいこら議長!再審を!何でメイドなんだよ!」
オットーはヘルマンに再考してもらうように訴えるが・・・
「さあ、オットー、お着替えの時間ですよ。」
リミに肩を掴まれる。
「ま、まてよ、お着替えって何だよ、俺はメイド服なんて・・・」
「さあ、シモちゃん連れて行ってください。」
「うにゅ、オットー抵抗するとオットーくんを斬っていいって言われているのよ。
抵抗は止めて大人しく来ればいいのよ。」
「シモ!お前よくわかってないだろ!助けてくれよ。」
「無理なのよ、みんなの目が血走ってて怖いのよ。
さあ、行くのよ。」
オットーはシモに急かされ、トボトボと連行されて行くのだった。
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