第441話 日本に帰る、おまけ付き
「それじゃ帰って来るよ。すぐに戻って来るから。」
リョウはアキラを連れて天鳥船に乗り、日本に帰る。
「ゆっくりアズサさん達との再会を楽しんで来てください。」
サリナは優しい笑顔で二人を見送っていた。
「・・・怒られそうなんですけど。」
「自業自得です。」
「そうじゃぞ、リョウ。さあ出発せい。」
「はいはい、じゃあ行ってきます。」
リョウが天鳥船を起動させて船は輝き動き始める。
そして、巻き込まれないようにサリナ達が離れたところで・・・
「ほれ、ハルノブ、お母さんに行ってきますと言わんか。」
アキラが膝の上にハルノブを乗せて手をふらしている。
「「えっ!!」」
全員が固まる。
「アキラさん!ハルノブはお昼寝してたんじゃ!」
「ふむ、最後にもう一度別れを告げに行ったら丁度目を覚ましてのぅ、ハルくんに日本に行くか聞いたら両手を広げてダッコをせがまれたら連れて行くしかあるまい。」
「無いですから!ハルノブを返してください!」
「大丈夫じゃ、かわいい子には旅をさせろと言うではないか。」
「そんな事はありません!お願いですから!」
サリナは必死に叫ぶ。
「ゴメン、サリナさん、もう止まらない。このまま日本に行くしかない。
ハルノブは必ず無事に連れて帰って来るから。」
リョウはアキラのしたことを申し訳無さそうにしつつも、天鳥船が止まらない事を告げるしか無かった。
「ハルノブ、ハルノブ!!」
「お母さん危ないから離れて!」
船に縋り付こうとするサリナをヘルマン達が抑える。
サリナの叫びも虚しく、天鳥船は日本に出発するのだった。
「爺ちゃん、何してるんだよ・・・」
移動中リョウは呆れた声を出す。
「なんじゃ、男児たるもの独り立ちは早い方が良いのじゃ。」
「早すぎだろ・・・どうするんだよ、絶対にサリナさん怒っているぞ。」
「・・・ふむ、ヨシノブになだめさせるか。」
アキラも少しまずいと思ったのか少し考えヨシノブに押し付ける事にした。
「はぁ、仕方ない早めに異世界に戻るよ。」
「ワシは構わん、婆さんを連れたらそのまま帰っても良いからのぅ。」
「俺が良くないんだよ、ミユやアズサ、みんなに怒られるじゃないか。」
「あきらめろ。」
「くそジジイ!」
「汚い言葉を使うな、ハルくんの教育に悪いじゃないか!」
「こんな時に赤ちゃんを使うのは卑怯だぞ。」
「ふん、間違ってはおるまい。」
「間違っているのは爺ちゃんの行動だよ!」
リョウはアキラに説教しながら日本に着く。
そこは見慣れたアズサの家の庭だった。
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