第406話 片付け

「マインズ王国騎士団の方ですか・・・ってルクス兄じゃないですか。」

魔物をあらかた始末できたぐらいにルクスとロンメル達戦車隊が合流する。


「ロンメルくん、ヨシノブはどこだ?」

「おとうさんは敵の大将を討ち取った後、おかあさんの出産に立ち会っています。

僕達は残敵の掃討の任務についているところです。」

「サリナさんの出産が始まっていたのか?」

「はい、この魔物が襲って来る前に。」

「そうか、ならロンメルくん達も屋敷に向かいなさい、戦場の片付けは私達がやっておく。」

「ですが、屋敷周辺を護るのは僕達の役目で・・・」

「君も産まれて来る赤ちゃんに早く会いたいだろ?

ここは私に任せなさい。

皆、ヨシノブの子供が産まれてくるようだ、産まれてくる子供の瞳に血塗れた大地を見せる訳にはいくまい。

ここは我らが誇るマインズ王国だ!

子供に美しい我が国を見てもらおうではないか!」

ルクスの言葉に士気が高まっていた騎士達も呼応する。

「ルクス兄・・・」

「大丈夫だ、それに魔物の危険が無くなったら住人達も片付けを手伝ってくれる。

何も心配せずに任せなさい。」

「お言葉に甘えさせてもらいます。

みんな屋敷に戻るぞ!」

ロンメル以下、ヨシノブ傘下の部隊は全て屋敷に引き上げていった。


そして、戦場はマインズ王国騎士が残る。

ルクスの言葉の通り、戦場の片付けを行う。

大量の魔物を1箇所に纏めて焼こうとしていたが戦場が落ち着いた事にいち早く気づいた商人達が足早にやってきた。

「騎士団の方々、この魔物を焼却するなんてもったいない!」

「しかしだな、この数だ解体して素材にするには時間がかかりすぎてしまう。」

「それは我ら商人ギルドに任せてもらいたい。

もちろん、素材の代金もお支払いいたしますので。」

騎士達も折角倒した魔物が金銭になるならと商人ギルドの申し出を受けることにした。

これにより、ヨシノブと分けたとはいえ大量の資金が国庫に入ることとなる。

ルーズ王は得た資金を、騎士達に半分使い、数の減った騎士団の再編成を行ったうえで住人達に還元していく。

住人は自ら戦場に立つ勇敢な王を讃え、資金を大盤振る舞いする王に感謝を捧げるのだった。


そして、住人の感謝は戦場で戦っていたルクスにも捧げられ、多大な人気を得るのだった。


素材を得た商人も大きく潤う事となる。

今回現れた魔物は強く大きい物が多かった、通常なら少量を手に入れることすら難しい物が大量に・・・

多少の価格は下がったものの、次回入手できる保証はないので、各国からも買い求める者が王都に来ては購入していく、人が動き金も動いた。マインズ王国の景気はこれまでにないほどの好景気を迎えるのであった。

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