第407話 ルーズ王訪問
騎士団が戦場を片付けいる中、ルーズ王がヨシノブに挨拶にやってきた。
「おめでとうヨシノブ、子供が産まれたと聞いたぞ。」
「ありがとうございます。ルーズさん、お陰様で元気な子供が産まれました。」
開口一番祝辞を述べてくれたことに感謝する。
「ルーズさんは何故ここに?外は魔物がいたのでは?」
「王都近郊に魔物が出たのに城に籠もるわけにもいくまい、王とは背中で民を導く必要があるからな。」
「ルーズ王の言葉、よく覚えておきます。」
「ヨシノブはしっかりやっておるではないか。」
ルーズも照れ隠しからヨシノブの背中を叩き、自らの言葉に少し恥ずかしそうにしていた。
俺はルーズをハルノブが寝るベッドに案内する。
「おお、可愛い子だな。男の子か?」
「はい、男の子ですね、名前はハルノブといたしました。」
「ハルノブか、良き名だな。
どうであろう、ウインかルクスの子に女の子が産まれたら婚約するというのは?」
「ルーズさん、産まれても無いのに流石にそれは・・・
それに私としてはハルノブに選ばせてあげたいのです。」
「これはすまん、些か気が早かったな、まずはウインとルクスには子をつくらさねばなるまい。」
ルーズは大笑いする。
しかし、その頭にはヨシノブとの縁を強化することを考えていた。
「そうですよ、ルクスに至ってはお嫁さんを探すところからですよ。」
「一応ルクスにも婚約者がいるのだがな。」
「えっ?いるんですか?」
「うむ、あれでも王族だからな、ビザ侯爵家の娘シリアと婚約しておる。」
「初めて聞きました。」
「まあ王族の婚約には政略も絡むのでな、ルクス自身、兄ウインの王太子の立場が安定するまで自分の立場を強める事はせぬよう、ビザ侯爵家と少し距離をとっておるのだ。」
「ルクスはウインさんに王になってもらうと言ってましたしね。」
「うむ、ルクスに野心があれば国が荒れるところだが、幸い兄弟の仲が良くて父としては助かっておる。」
ルクスとウインという優秀な子供を持つ親の苦労を感じた気がしたのだった。
「カルラさん、ご無事ですか!」
俺が少しシンミリしたところにマックスの声が響き渡る・・・
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