第367話 色々模索

俺は政府からの脅しを考え、兵器を多めに召喚していた。

しかし、燃料の劣化を考えると燃料の確保は必然となる。

俺は色々な手段を探る事にした。


大型備蓄基地や、石油精製工場は呼び出せなかった。

小型の備蓄はできるがこれだといつまでもあるわけではない。俺は日本から輸入する術を模索するために以前訪れた地球と繋がっている穴がある島にきていた。


「この穴をどうにか出来ないかな・・・」

俺は景色が変わる穴を眺めながら何かに使用できないかと考える。

横でシモが不思議そうに穴を眺めていた。

すると遊園地が見えた。

「おとうさんみるのよ!遊園地なのよ、楽しいところなのよ♪シモはね、おとうさんとおかあさんと一緒に行ってみたいのよ。」

「日本に行けるようになったら考えようか。」

俺は現状行けない事をおいておいて、シモに答える。

すると穴の景色は遊園地から別の所に変わった。

「うにゅにゅ!変わってしまったのよ!シモはもっと見たいのよ!」

シモは悔しそうにしており・・・

「うにゅ〜変われなのよ〜」

シモは何故か穴に念じていた。

「シモ何してるの?」

「穴の周りに魔力を送って操作するのよ。シモは見たいものを見るのよ。」

「そんなことできないんじゃないかな?」

「為せば成るのよ、おじいちゃんはゴリ押しが大事だと言っていたのよ。」

シモの言葉に俺もふと乗ってみる。

俺には天照の加護がある。もしかすると日本へ繋げる可能性があるのでは?

「おとうさんも参加なのよ?シモも張り切るのよ。」

シモは俺と一緒にすることが楽しいようで、ウキウキで魔力を込めだす。


「シモは楽しそうだね。」

「おとうさんとの共同作業なのよ、世界の壁ごときに負けるわけにはいかないのよ!」

シモの魔力が膨れ上がる。

俺も負けじと魔力を込め穴に干渉する。


すると穴が何処かの屋敷が写った状態で固定される。そして穴の広さも40センチ程に広がっていた。

「何処だここ?」

「うにゅ〜あっ!アズ姉のお家なのよ、アントくんが見えたのよ!」

シモが言うにはアズサの家で飼っている鹿の姿が見えたようだった。

「アントくん!こっちなのよ〜」

シモの声に鹿が覗き込んでいる。

「シモ、鹿さんが触ったら危ないから呼んじゃだめだよ。」

「大丈夫なのよ、アントくんは賢いから言えばわかるのよ。

アントくん、穴の周りに触れちゃだめなのよ、おとうさんが言うからきっとそうなのよ。」

アントは賢く覗き込むが穴の周囲に触れようとはしなかった。


俺はアズサさんに電話をかける。


「ヨシノブさん、どうなさいました?」

「アズサさんの家と異世界が繋がったみたいです。」

「はい?どういうことですか?」

「えーと中庭に来てもらえますか?鹿のアントくんが覗いているところです。」

「中庭・・・確かにアントくんが何かしてますね。」

アズサは電話しながらアントの所までやって来て、アントが覗いている穴を見る。

「アズ姉、久しぶりなのよ〜」

そこには手をふるシモの姿があった。

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