第357話 亀との遭遇
「うにゅ?大きい亀さんなのよ♪」
シモは大きな亀に目を丸くして喜んでいる。
「気に入ったかい、シモちゃん。」
アキラは上機嫌で紹介している。
「アキラ様、誰ですかそのガキは・・・ぎゃぁ!」
アキラは地面になっている亀の甲羅越しに足から浸透勁を発して内部にダメージを与える。
「駄亀、ワシの孫をガキだと?」
「ごめんなさい!ごめんなさい!お嬢様がお孫様とは露知らず、愚かな亀をお許しください。」
亀が平謝りを始めた。
「おじいちゃん、亀さんをいじめちゃダメなのよ。
竜宮城には亀さんがいるのよ。タイヤ、ヒラメが舞い踊るのよ♪」
「おお、シモちゃんは優しいのぅ、亀よ感謝せい。」
「お嬢様、ありがとうございます。」
亀は気づいた、シモが注意した事で呼び方から駄が消えたことに。
媚びるなら、このシモと言う女の子だと。
「おじいちゃん、ここ魔力が多いのよ。」
「そうじゃのぅ、この亀が自然と放出している量は通常の三倍ぐらいの濃度になっておるからのう。」
「亀さん、お友達を背中に住まわさせてもらってもいいのよ?」
「お嬢様のお友達ですか?」
「そうなのよ、お家も建てさせてほしいのよ。」
「いいですよ、甲羅の上はそんなに気になりませんし。」
「なら、すぐに呼ぶのよ。
鬼さんこちらなのよ。」
酒吞童子達が現れる。
「姫様、何か御用ですか?」
「酒吞、ここは住みやすくないかなのよ?」
「おお、魔力に満ちております、ここなら顕現し続けるのも充分に可能ですな。」
「うにゅ、おとうさんに言ってお家を建ててもらうから住むといいのよ。」
「忝ない。」
「あ、あの、その人?たちは?」
亀は恐る恐る聞いてくる。
「シモのお友達なのよ、酒吞こちらは亀さん。仲良くしてほしいのよ。」
「これは亀殿、我ら鬼族の酒吞童子と申す、共に姫様の配下として仲良くいたそう。」
「いや、僕は配下じゃなく・・・ぎゃぁ!」
再びアキラの浸透勁が亀を襲う。
「シモちゃんの配下で有ることに不満があるのか!」
「な、ないです!ないですよ!僕は従順な下僕ですぅ〜」
亀は泣き言と共にシモに忠誠を誓わされるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます