第356話 探検隊
「この辺りでさぁ。」
ショウはキッドに案内され、とある島に来ていた。
「何も変わった所はないよね?」
「へい、しかし、地図はここになっているんでさぁ。」
「うーん、何もないよな、アキラさん何かありましたか?」
「なんじゃ、ショウこの気配にも気付かんのか?」
「えっ?」
「出てこい駄亀、ワシがおるのに知らん顔とか生意気な真似をしよって、斬り刻んで鍋に入れるぞ。」
すると島の先端に巨大な亀の頭が現れる。
元海賊達は腰を抜かして驚いているが・・・
「そ、その気配はアキラ様ではないですかぁ〜」
「白々しい、気付いておったじゃろ。」
「そ、そんな事ありませんよぉ〜」
「アキラさん、この亀は?」
「ワシが若い頃海を渡るときに一度使ってやったのじゃが、デカくなったのぅ。」
「長生きしておりますので、しかし、地球とやらに帰られたのでは?」
「愚か者に呼び出されてのぅ、それからは縁でとどまっておるのじゃ。」
「チッ、どこのバカだ。余計な真似を。」
亀は舌打ちをして不満を漏らす。
「なんか言ったか?」
「ななな、何も言ってませんよ!」
「まあ良い、駄亀ついてこい。お前なら魔力タンクに丁度良い。」
「魔力タンクって何をさせる気ですか・・・」
亀はウンザリしたような顔をしている。
「嫌か?」
アキラは刀の鯉口を切る。
「嫌な訳ないじゃないですかぁ〜亀は昔からアキラ様に従順な下僕にございます。」
「ならば、良いが・・・なぁ。」
亀は寒気で震え上がる。
「アキラさん、この亀をどうする気ですか?」ショウはアキラの行動がわからず質問する。
「リョウの奴がチマチマ魔力を貯めておる船があるじゃろ?」
「あー異世界を渡れるとかいうやつですか?」
「そうじゃ、じゃがあのスピードでは何時になるかわかったものじゃないからのぅ、この駄亀に協力させてやるのじゃ。
こんな駄亀でも魔力は充分にあるからのぅ。」
「アキラ様、何やら不穏な話が聞こえているのですが、異世界を渡る魔力とか、私一人じゃ厳しいですよ。」
亀は冷や汗をかきながらもアキラに意見する。
「なに、蛇や鳥、猫も見つけて協力させるわい、連絡がとれるのじゃろ。」
「と、とれますが、協力しますかね?
私と違って反抗的ですよね?」
「反抗するなら血肉を捧げるのみじゃ。知り合いを肉片に変えたくなければ説得するのじゃな。」
アキラは何処までも無慈悲であった。
亀を新たに基地を建設している島に連れていき、其処に滞在を命じる、こうして基地の側に魔力を帯びた島が出来るのであった。
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