第345話 ルクスの帰国

タスクの謝罪が終わって何日かした頃、他の騎士団も順調?に訓練を終えて行く中、タクミを連れてルクスが帰ってきた。

「ヨシノブ話はつけて来たが、この惨劇はなんだ?」

屋敷に転がる騎士団の無様な姿に引きつつ、ルクスは質問を投げかけてくる。

俺は事情を話すとルクスは頭を押さえる。


「兄上は何をしているのだ・・・」

「まあまあ、だいたい無難におさまったから。」

「ここの訓練を受けて、何人が復帰できると思っている?」

俺は視線を逸らす。

「・・・きっと強い騎士団が出来るはずだよ。」

「こっちを見ていえ!まったく・・・」

「まあ、それでも腐敗を撤去出来たと考えてほしいかな?」

「たしかにその面はあるだろうが・・・」

ルクスも騎士団の中にあった増長している部分は気にはなっていたが、この結果はあまりに可哀想で同情していた。


「そ、それより、タクミの件は?」

「ああ、無事だ、それでタクミの役目は?

如何にするか決めたのか?」

「タクミにはマルドラド王国の王都周辺の復興に尽くしてもらおうと思っているよ。

資材と重機は俺が持ち込むけど、あとはルーカス商会からの人足を雇ってタクミにやってもらう予定。」

「大丈夫なのか?」

「少し不安な所もあるけど、ティアさんの事も考えたらマルドラド王国で名声を上げさせた方が良さそうだからね。」

ティアが恥ずかしい思いをしないでいいよう、形だけだが、子爵の位と言うことにして、マルドラド王国で復興部隊の指揮官をする事で名声を得らせる。


「じゃあ、少し忙しいけど、タクミくんにはマルドラド王国に行ってもらうか。

ルクス、こっちは任せたよ。」

「おい、ヨシノブ!この混乱を押し付けて行くのか!」

「まかせたよー♪」

俺は騎士団の惨状をルクスに丸投げして逃走をはかるが・・・


「ヨシノブさん、何でも押し付けてはいけませんよ。

もう少し片付けてから行きましょうか?」

入口にいたサリナに捕まり、もう少し騎士団の片付けをさせられる・・・


「はぁ、嫌だなぁ・・・」

訓練場に向かう俺の足は重い。

「それを俺に押し付けようとしたんだろ?」

「マインズ王国の騎士団なんだからルクスが対応してもいいだろ?」

「俺だけにさせるな、お前も手伝え。

サリナさんのあの様子だと、かなり混沌としているのだろ?」

「・・・お前もきっと驚くぞ。」



訓練場の扉を開いたとき、そこには少女にカッコいい所を見せようと無駄に頑張るマックス以下、ロリコン騎士団の集まりがあったのだった・・・

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