第330話 食事会

「ようこそ、今回は俺の留守中、屋敷を守っていただき感謝します。

ささやかですが、食事を用意したので楽しんでいってもらいたい。」

俺は騎士団長達を招き入れる。


「お初にお目にかかる、第二騎士団長ジャックと申す。」

「ワシは第三騎士団長、アルフィだ。」

「俺は第四騎士団のメイソン、以後よろしくな。」

俺は三人と握手を交わす。


ただ一人だけ・・・

俺を無視してカルラに話しかけていた。

「カルラさん、お招きにあずかり光栄です。」

「招いたのはおとうさんです。

まずは挨拶を。」

「お、お義父さんに挨拶をですか!」

「そうですよ、屋敷の主を無視して他に話しかけるのは失礼です。」

「そ、そうだったな、すぐに挨拶をしなければ。」

カルラに言われて俺のところにやって来る。


「お義父さん!」

「誰がお義父さんだ、こんなデカいムスコを持った覚えはない。」

「き、きょうはお話があって来ました!」

「ちがう、俺が呼んだの、少し頭を冷やせ。」

俺は頭を叩く。


「はっ!俺はいったい・・・」

「無意識かよ、少しは落ち着けよ。

今日は歓待の為に呼んだんだ、楽しく食事をしようか。」

「はーい、楽しくお食事会ですね♪」

俺の視界の下から幼い女の子の声が聞こえる。

下を見るとリーナ王女が来ていた。


「リーナ王女!なんでここに?」

「美味しい物があると聞いて来ちゃいました。」

「いやいや、今日は騎士団の方達の接待ですけど・・・」

「だめなのですか?」

目を潤ませ見上げるリーナに俺は折れる。


「カルラ、もう1つ席の用意を頼むよ。

リーナ王女、用意してなかったので期待しないでくださいよ。」

「もちろんです♪」

その笑顔は美味しい物が食べれると疑っていなかった。


俺は挨拶が済んだあと一度裏に入り、ショウに王城への使者を頼む。

「ショウくん、悪いけど今から城に行ってリーナ王女が来ていることを伝えて来てくれないか?」

「わかったけど、僕でいいんですか?」

「ショウくんなら王様とも面識があるからね。」

「わかりました、すぐに向かいます。」

ショウは護衛に数人の子供を連れて城に向かって車を走らせていった。


俺が部屋に戻ると同時に食事の準備が出来ており、挨拶をする。

「この度は私の留守を守っていただき感謝します。

ささやかですが私達の気持ちです。

ゆっくり楽しんで行ってください。」

俺の挨拶にリーナがパチパチと拍手をしており、各団長達も続くように手を叩いていた。


そして、食事が始まると・・・

「なんだこれは・・・」

「美味さが別格だ。」

「先日までの食事も信じれなかったが、コース料理になるとこうも味わいが上がるものなのか・・・」 

「う〜ん、美味しいです♪毎日でも食べたいです。」

それぞれみんな喜んでくれているようだった。

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