第325話 差し入れ
「カルラ、外の騎士団の皆さんに差し入れをしてあげれないかな?」
サリナは自分達の為に警備をしてくれている騎士達に何か恩返しをするべきと考えていた。
「わかりました、でも、おかあさんは外に出ないでください。」
「でも、私も・・・」
「いいですね!」
「はい・・・」
サリナはカルラの剣幕に押されて大人しくする事を約束する。
カルラの指揮で手のあいている女の子達を集めて騎士団に温かい食事と、お菓子を用意するのだった。
「あ、あの、これ食べてください。」
「お嬢ちゃん屋敷の子かい?」
「はい、警備ご苦労さまです。みんなで作った差し入れです。」
「ありがとう、いただくよ。」
小さな女の子達がお礼をいいながら一生懸命配る姿に多くの騎士達も微笑ましく見ていた。
そんな中で配られた、食事を食べだすと・・・
「おい、このシチューめちゃうまいぞ。」
「本当だ!この肉とろけるようだ!」
「これ本当に俺達が食べていい食事なのか?」
「いい食材を使っているな。」
食事に使用されたのは日本でも最高級の食材を使用したビーフシチューであった。
アズサのテコ入れで源グループから自衛隊に各種の最高級の食材も登録される事になり、ヨシノブが呼び出す事も可能になっていた。
「こんな警備ならいつでもしていいな。」
「確かにだ、それにあの子達を守ってると思えば誇らしくもあるな。」
騎士達はおおむね好評だった。
「なぁ、リミちゃん可愛くないか?」
「確かに可愛らしいよな。」
「だよな、嫁に欲しいぐらいだ。」
「えっ?い、いや、まだ子供だろ?俺が言う可愛さと少し違っていないか?」
マトモな騎士からしたら病を発症した者達の話に付いていけない。
「聞いたか、マックス団長の話だと、自由恋愛なら有りだってさ。」
「なに!!じゃあ、口説き落としたらいいんだな!」
「ああ、俺はアマリエちゃんがいいと思うがな。」
「こうしちゃおれん、俺も話しかけてくる。」
「お前ら正気を取り戻せよ!相手は子供だぞ!」
マトモな騎士の言葉は病を発症した者達には届かない。
一部の騎士達の中には子供達に求愛する姿が見受けられたのだが・・・
「キサマら離れろ!彼女達は我らの物だ!」
マックスの直臣達が自らの欲望の為に彼女達を守るのだった。
騎士団の職務外の戦いはヨシノブが帰って来るまで続くのだった。
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