第326話 臨時基地に帰ると
カーム王と面会したあと、臨時基地に戻ると混乱が起きていた。
「エーリヒ、この人達は?」
庭で倒れている人達を見て、聞いてみる。
「仕官希望者みたいですけどアキラさんの殺気にやられて・・・」
「あーなるほど。
アキラさんの殺気にやられたなら気を失っているのも仕方ないけど、この姿を見たあと仕官の話はうけたくないかな?」
俺は苦笑いをする。
「それにこの人達は制止を無視した人達ですのでおとうさんが相手をする必要はありませんよ。」
「そういう事なら目が覚めたら帰ってもらわないとな。」
「はい。」
そして、部屋に入ると正規に受付で面会申込みをした人達を名簿をみる。
「うっ!け、結構多いね。」
「すみません、相手がどのような方か判別が難しく、全員に名前と連絡先、要件を書いてもらったのですが・・・」
御礼に、仕官希望、援助依頼に援助申込み、商会の共同経営か・・・
俺は大雑把に目を通す。
「なるべく会うようにはしたいけど、まだ、やる事が多いからなぁ・・・」
俺の頭の中にはティアにどう説明するかが問題になっていた。
タクミを助けた以上、ティアに復讐をさせるという訳にもいかない。
だが、操られていたとはいえ、タクミのした事は許される事ではなかった。
俺は悩んだ結果、ルクスに相談する為、屋敷に連絡をとる。
ルクスは屋敷に滞在していないので呼び出す形になってしまったが、ルクスはすぐに連絡がついた。
「ヨシノブどうした?緊急事態とか聞いたが?」
「あー色々あってね、実は・・・」
俺はルクスに今まであった事を話す。
「なるほど、それでティアと女性とタクミという男をどうするか悩んでいると。」
「そうなんだよ、命を救った以上、命をもって償わせられないからね。」
「ならば、その女性の親に連絡を・・・いや、俺がやる、そっちに向かうから迎えをくれ。」
「ルクスに考えがあるんだね。」
「まあな、お前は何かと甘いから悩むんだ、その話は俺が片付けるから安心しろ。」
「任せるよ。
さすがルクス、頼りになるな。」
俺はエーリヒをルクスの案内人としてつけ、この件を全て任せるのだった。
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