第314話 ルーデルの光

「敵を広げさすな、包むように攻撃をおこなえ。」

ロンメルは射程範囲の長さを使い、敵を包むように攻撃を開始する。

「全員外すなよ、撃て!」

ロンメルの指示の元、一斉射撃が行われた。

過酷な訓練により練度を上げていた戦車隊は全弾命中を果たす。

敵戦車は一撃の元破壊され。

「よし、これで最前線を潰した、引き続き各員城壁を狙う敵を破壊せよ!」


最新鋭の戦車と旧式の戦車、戦力差は明らかであり、一方的な勝負となる。

だが、それにも違和感があった・・・


「何故敵はこちらに向いて砲撃してこない?」

敵戦車は城壁に攻撃を加えるばかりでこちらに向いてこない。

ただ決められたプログラムをこなすように現れては壁に向い攻撃を開始するだけだった。


「どうなっている?」

困惑するロンメルだった・・・


一方、敵の動きに俺も違和感を感じていた。

「敵の狙いは何なんだ?

いくら湧いて出ているとはいえ、なぜ反撃してこない?」

俺が困惑する中、ルーデルから通信が入る。


『こちらルーデル、戦場についたぜ、新型爆弾を試したい。許可をもらえるか?』

「ルーデルか、新型爆弾?みんなは範囲をわかっているのか?」

『ああ、知らせてあるし、落とすところは考えてある。』

「わかった、全員ルーデルの爆発範囲から離れろ。」

『戦車隊了解!全員全力で離れろ!』

『航空隊了解!全機に告ぐ一時戦場から離脱する。遅れるな!』

エーリヒ、ロンメルともに慌てたように距離を取り始める。


「あれ?なんでそんなに慌ててる?」

エーリヒとロンメルの慌て方に俺は不思議に思うが・・・


「くくく、ついにこの時が来た、

私は3ヶ月待ったのだ。貴様たちのような自らの意志ももたぬ者どもに、我々の理想を邪魔されてたまるかっ!」

ルーデルは爆弾を投下する。

ルーデルが用意した新型爆弾は眩い光と共に敵を跡形もなく消し飛ばす。


「見たか、これが我らの力!

俺達に敵対した者の末路だ。」

ルーデルは立ち上るキノコ雲をあとに臨時基地に帰還するのだった。

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