第315話 爆弾の威力

「・・・あれなに?」

俺はあまりの爆発の威力に驚いていた。

敵戦車は跡形もなく消え去り、いや大地にあった草木すら残さずに消え去っていた。

かろうじて王都は城壁にて爆風を防いだようだが城壁の表面はかなり溶けていた。


「ルーデルが開発した爆弾ですね。

先日の海戦で敵を沈めれなかった事が悔しくて出来た新たな力です。」

管制官として来ていたローザが説明してくれる。


「いやいや、威力有り過ぎじゃない?」

「えーと、何か魔力の新理論を生み出したとか何とか言ってたような・・・」

「はぁ、本人からあとで詳しく聞くとするか・・・

しかし、あれだけの攻撃だ、敵も跡形もなく消え去ったか?」


「すいません、まだ爆発の影響で爆心地の映像が映りません。確認まで少しお待ち下さい。」

「わかった、その間にエーリヒ達の補給をしておくよ。

何か変化があったら知らせてくれ。」

俺は帰還してきたエーリヒ達の補給を行う。


基地にはエーリヒ達航空隊の他、ロンメル達戦車隊も帰還してきた。

「おとうさん、戦車の入れ替えてもらえませんか?」

「構わないがどうした?」

「予想よりルーデルの爆弾の威力が有り過ぎて少々ダメージをうけたようです。」

「大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよ、少々傷んだぐらいです。

ですが此処は戦場ですから、万全に出来るなら備えておきたいのです。」

「わかった。」

俺は全員分の10式戦車を呼び出す。


「これに乗り換えてくれ、エーリヒ達も乗り換えておくか?」

「お願いできますか?」

「いいよ。」

俺は続いてF−2を呼び出す。

子供達は油断なく戦闘に備えていた。


「映像映せます、メインモニターに表示しますね。」

俺達の視線はモニターに移る、敵戦車が鉄屑とかし、大地は焼け焦げ、何も無くなった所に人が倒れている。

「あんな所に人が?」

「あれが敵なんでしょうか?」

「わからんが放って置くことも出来ないな。ちょっと様子を見てくる。」

「おとうさん!誰か別の人を!」

「いや、それぐらいはするさ。」

「なら、パウル、オットー、シモ、おとうさんの護衛に!」

「もちろんなのよ!」

「当たり前だ。」

「ロンメル隊も護衛に入る。全員乗車せよ!」

俺は護衛を連れて、倒れている人に向かって基地を出ていったのだった。

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