第313話 戦闘開始

飛び立った俺は戦車ひしめくエリアに向う。

「すげぇ数だな・・・」

「うにゅ〜おとうさんのおひざなのよ♪」

「シモは平常心だよなぁ〜」

「うにゅ?敵なら斬るだけなのよ。」

「アキラさんの影響を感じるなぁ・・・」

「ヨシノブ、お前こそ覚悟が足らん、たかが鉄の塊ではないか。」

「そこまで達観出来ませんよ、でもやる事はやります。」

俺は対戦車ミサイル、AGM-114 ヘルファイアを撃つ。

ミサイルは誘導装置もあり、命中する。


「よし、命中、続けていくぞ。」

俺は前線にいる物から一台ずつ破壊していくが・・・


「数が多すぎる・・・」

破壊しても次から次に繰り出されてくる。

いたちごっこのような戦闘を続けておよそ6時間時間が過ぎた・・・

俺も疲労困憊になりつつある中・・・


『おとうさん、遅くなりました。すぐに攻撃に移ります、おとうさんは一度休憩なさってください。』

エーリヒ率いる航空隊が援軍に到着する。

「エーリヒ、よく来てくれた。ここは任せる俺は一度さがるよ。」

『お任せあれ、全員散開、地上のゴミを破壊しろ!』

『『ラジャ』』


エーリヒ達は即座に攻撃に移る。

30機からなる航空隊は随時戦車を破壊していく。


エーリヒが作った時間の間に俺は仮設基地に着陸する。

そこにはパウルとオットーが地上部隊を編成していた。

「おとうさん、警備体制を整えています。おとうさんは少し休んでください。」

「いや、エーリヒ達も戦っているんだ、俺もすぐに前線に出るよ。」


戦車を指揮しているロンメルが俺の前に立ち、引き止め、

「それには及びません、ここからは我ら戦車隊の仕事です。

おとうさんには各隊の補給、及び、我らの戦車を呼び出してもらえますか。」

「戦車はすぐに呼ぶが俺も前線に。」

「なりません、おとうさんがいなくては補給が出来ません。

エーリヒ達も弾薬補給に戻って来ます。

おとうさんは仮設基地にて補給をお願いします。」

ロンメルの言うとおり、俺がいないと補給は出来ない、ただ、子供達だけを戦闘に出すのも抵抗があった。


「おとうさん、このような雑魚の相手をする必要なんてありません。

我らがすぐに片付けて参りましょう。

行くぞ者共!おとうさんが心配しなくていいように完勝する。

誰一人遅れをとるな!」

「おうよ!」

「任せておきな。」

「ロンメル隊、出撃!!」

ロンメルは俺が呼び出した10式戦車に乗り、50両の戦車を引き連れ戦場に向かっていった。


「パウル、俺が戦闘に行くのはお前も反対か?」

「はい、おとうさんがいなくなれば俺達もおしまいです。

何が合ってもおとうさんを守るのが俺達子供の意志です。」

「くそっ!俺は戦うことも出来ないのか!」

「補給も戦闘です。それに僕達が戦えるのはおとうさんの力のお陰です。僕達が戦っているのはおとうさんが戦っているのも同じことです。」

「しかし・・・」

「待つのも戦いです。それにおとうさんがいないと補給もできないのですから。」

俺はパウルに諭され、戦場に立てず、後方で子供達の出陣を見守ることになるのだった・・・

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