第248話 日本の生活

その頃シモは・・・

「アズ姉、この服ヒラヒラして動きにくいのよ。」

リョウの婚約者アズサに着せ替え人形になっていた。

「帰った時にヨシノブさんを驚かせてあげましょう。」

「・・・おとうさん、喜んでくれるのよ?」

「そりゃ娘が可愛くなってたら喜ぶに決まってるわ。」

「シモ頑張るのよ。」

シモはアズサに言われるままに着替えをする、

カジュアルから始まり、和服、メイド服、果てはセーラー服まで着せていた。

「リョウくん、見てよ、すっごく可愛いよ。」

「そうだな、似合ってるね。」

褒められてシモも嬉しそうにしていた。

「さて、じゃあお肌のケアの仕方も教えましょう。」

美容品を多数取出す、その中で化粧水や乳液が出てくる。


「これは知ってるのよ、ルナがお顔にベチャベチャ当ててるやつなのよ。」

「うーん、ちょっと違うけど使ってみる?

結構希少なのよ。

ヨシノブさんに頼まないと手に入らないし。」

「珍しくないのよ?作ったらいいだけなのよ?」

「・・・もしかしてシモちゃんが作れるの?」

「作れるのよ、でも質はおとうさんの方がいいのよ。」

シモは手元にある化粧水を手に取る。

「これは少し古いのよ、少し魔力が抜けてるのよ。」

シモが魔力を込め直す。

すると水が少し輝いて見える。


「凄いわ!」

アズサは感動している。

「へぇーそうやってたのか。」

リョウは魔力の込め方を見ていた。

「リョウくん、凄くない?水が輝いているよ!」

「アズちゃん落ち着いて、でも、それなら作れそうだな。」

「リョウ兄も魔力つかえるのよ?」

「シモちゃんみたいに直接じゃないけど、陣をしいて地脈を引き込めばたぶん出来るね。」

「凄いのよ、おとうさんの友人なだけはあるのよ。」

シモは少し感動した目を向けている。


「シモにも教えて欲しいのよ。」

シモは貪欲にリョウの知識を求める。

「まあ、いいよ、教えれる事は何でも教えてあげるよ。

何せ、ヨシノブに借りを返す機会なんて中々ないからね。」

こうして日本でも英才教育が施される。


「何?異世界から少女が来ているだと?」

少し遅れながらも宮木総理の元に情報が入る。

加持が情報を纏めて報告してくる。


「はい、アキラ氏と共にこちらに来たようで現在源家に滞在、リョウ氏の元にいるようです。」

「何故リョウくんの所に?」

宮木総理は以前のトラブルでリョウと敵対し和解した過去があった為、面識があった。

その件は解決してはいるのだが・・・


「どうもヨシノブ氏と友人関係にあるようでして、ヨシノブ氏の娘として保護しているようです。」

「これは何というか困った人脈だな・・・こちらとコンタクトはとれないのか?」

「一応、接触してみます。」

加持はタケフミに対しての失態の挽回に源家を直接訪れるのだった・・・

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