第243話 シモの行方は・・・

シモとアキラが消えてから、カールは急ぎ、まやに戻り、俺に通信してくる。


「おとうさん、シモとアキラさんが邪神を倒した後、謎の空間に呑み込まれて行方不明に・・・」

「なっ!本当なのか・・・いや、まずはカール、君が無事でよかった、すぐに対策をたてる、一先ずルーズ王に連絡して、マインズ王国内で捜査と保護をお願いしてくれ。」

シモとアキラが消えた事に俺は動揺を隠せなかった。

しかし、出来る事を行おうとする。


「はい、わかりました、すぐに手配します・・・」

「カール、シモは絶対に無事だ、落ち込まなくていい。まずは出来ることをしよう。」

俺はカールを励ましつつ、様々な可能性を考えるが情報が足りなく、決め手がない。

子供達と共に対策を検討するがどうすればいいか頭を悩ますばかりだった。

唯一の救いは一緒にアキラがいる為、大抵の事は大丈夫だと思うが・・・


半日程過ぎた時、ルナが走ってくる。


「シモちゃんの無事が確認出来たよ!」

「ルナ、本当か?」

比較的早く確認出来たことに驚きを隠せない。


「うん、でもすぐには帰って来れないかも・・・」

「それはどういう事?ヘリでも飛行機でも出して直ぐに迎えに行くけど?」

「それが・・・地球にいるみたい。」

「えっ?」

「アキラさんの話だと、ルールとかいう神が時空に関わっている神だったようで、死に際に強制的に帰されたとか、それにシモちゃんが巻き込まれたみたいなの。」

「シモは元気だった?」

「うん、少し寂しそうだったから、ヨシノブさんが励ましてあげて。」


俺はシモと繋がっている電話に急ぎ向う。

「おとうさん!シモなのよ!」

シモは半べそをかきながら電話に出ていた。

「シモ大丈夫かい?」

「大丈夫じゃないのよ、寂しいのよ。

お家に帰りたいのよ。」

「少しだけ我慢してくれよ、何とかするから。」

俺は横にいるリョウに話しかける。

「リョウ、世界を渡る方法は無いのか!」

「落ち着けヨシノブ、今調査中だ、それよりシモちゃんは俺達が保護をするから一先ず安心してくれよ。」

「ああ、ありがとう、それとすまない、少し取り乱していたよ。」


「気にするな、お前の娘なら俺の娘も同然だ、大切にするさ。

必ず、シモちゃんと爺さんをお前の元に送り届ける!」

「ちゃんとシモだけを帰してくれ。」

「任せろ!シモちゃんはともかく爺さんは確実に帰す!」

俺とリョウは電話ごしに睨み合う。


すると横から美しい女性がリョウを叱る。

「リョウ、こんな時に冗談を言わないの、初めましてヨシノブさん、私はリョウの妻のアズサと申します。」

「あなたがアズサさんですか、シモとリョウがお世話になってます。」

「リョウの世話は当然ですし、シモちゃんもいい子にしてますので安心してください。ねっ。」

「うん、シモいい子にしてるのよ。」

アズサはシモの頭を撫でる。

「シモはえらいな、リョウ達は信用出来るから言う事を聞いて帰れるまでいい子にしてるんだぞ。」

「うん。」

シモは寂しいのを我慢して、笑顔をヨシノブに見せるのだった。


電話をおえ、俺はフレデリカさんに声をかける。

「フレデリカさん、アランさん経由でローラン王国の王都に俺が行けないか調整してくれないか?」

「王都に行くのですか?」

「ああ、以前、教会の魔法陣で神と通話出来たことがあったからね、もう一度試してみたい。」

「わかりました、お兄様に連絡致します。」

「お願いします。」

俺はトートに連絡を取り、情報を集めようと動き出すのだった。

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