第234話 ポーション停止、しかし・・・

「マイちゃん、タケフミくんへのポーションの配送をやめてもらえる?」

俺はマイにタケフミへのポーションを止める事を指示した。

「えっ、なぜですか?」 

「うん、どうやらタケフミくんはポーションを使って、向こうでやりたい放題しているみたいだからね。」

「お兄ちゃん・・・」

「それで、俺の親友にもちょっかい出してきたんだ。」

俺はタケフミが失礼をした相手が俺の親友の嫁で名家の令嬢ある事を伝える。

そして、その名家には裏の顔がある事も・・・


「ごめんなさい!」

マイは深く頭を下げる。


「マイちゃんが謝る事じゃないよ、でも、今後、タケフミくんへの援助は禁止にするよ。」

「わかりました。ヨシノブさん、携帯を新しくもらえませんか?

お兄ちゃんから連絡がつかないようにしたいんです。」

マイは決意を固め、連絡をたつ気だった。

「わかった、これが新しい携帯だよ。」

マイは携帯を交換する。


これによりタケフミはポーションを入手出来なくなる。


そして、マイは父に電話をする。

「お父さん。」

「おお、マイかどうした?番号が変わっているが?」

「お兄ちゃん、もうダメかも知れない・・・」

「なんだって!いや、タケフミは日本に帰って来ているじゃないか。」

「お父さんはお兄ちゃんが今何をしているか知ってる?」


「ああ、ポーションを売って稼いでいるみたいだ、仕事が忙しいからと最近は都心に家を借りてそこで暮らしている。」

「もう、ポーションは送れなくなるの。」

「えっ?」

「ヨシノブさんの親友に迷惑をかけたんだって。それに日本でデタラメやってることがバレたのよ。

口には出さなかったけど怒っていると思う・・・」

「そんな、ポーションを止められたらタケフミの名声は・・・」

「名声なんて、そんな事を言える状況じゃないのよ、お兄ちゃんは源グループにも喧嘩を売ったみたいなの・・・」

「マイ、そのヨシノブさんに頼んで何とかならないのか?」

「なんて言ったらいいのよ、お兄ちゃんはヨシノブさんにも失礼な事をして、私の友達のカエデを襲おうとしたのよ、私はこれ以上関わりたくないし、関われないの。

助けたいなら、お兄ちゃんを止めて!」

「わ、わかった、私が話をしてくる。」

ユウキはマイとの電話のあと、タケフミの元に向う。


「何だよ親父、今忙しいんですけど。」

タケフミはバスローブ姿でだるそうに応対する。

「それどころじゃないんだ、タケフミお前はどうするつもりなんだ!」

ユウキはポーションが入荷出来なくなった事を伝えるが・・・

「抜かりはないよ、マイに送らせたポーションのストックはそれなりにあるしね。

これを売りさばいたら適当に理由をつけて売るのを止めるだけさ。」

「そんな事でいいのか?」

「いいも何も、新規入荷出来ねえんだから仕方ないじゃないか。

まあ、異世界の物だから手に入らなくなるのも仕方ないだろ。」

タケフミはマイが送らなくなる事を想定していた。

「親父も警官なんか辞めて、海外に移住しようぜ、物価の安い所に行って億万長者の生活だぜ。」

「そ、それも悪くないのか・・・」

「悪くないに決まっているだろ、何も悪い事はしてないんだからな。

それにあくせく働くより大金を得ているんだ。

のんびり暮らそうぜ。」

ユウキは逆に説得されてしまうのだった。


そして、タケフミは今あるポーションを売りさばく。

「向こうの情勢が変わったようで、今までみたいにポーションを入手する事が困難になりました。

今後、交渉をするつもりですので、暫く時間をいただきたい。」

タケフミは堂々とマスコミを使い、悔しそうな表情を全国にうつす。

そして、自らの力で何とかしてみせると約束するのだった。


その裏では、パスポートもあるし、移住先も見つけ、海外移住の準備を整えていたのだった。


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