第235話 ルイスやっとの訪問
マルドラド王国ではやっとカーム王の元に意見を纏め、ヨシノブに対して独立を認める使者を出し、友好の使者を送る段取りをしていた。
「お父様やっとヨシノブさんの所に行けるのですね。」
「ルイス、苦労を欠けたね。ルイスの頑張りのおかげで何とか纏められたよ。」
「使者はワタシでいいんですよね?」
「いや、ディーンにする。」
「お父様!!」
「ルイスには向こうに設置する大使館の領事を任せる。」
「お父様、人が悪いですわ。」
「少しの冗談だ、許せ。
向こうでしっかり友好を築いてくるのだぞ。」
「はい、任せてください。」
こうしてルイスは改めて基地にやって来る事になった。
「ヨシノブさん、お久ぶりです。」
「ルイスさん久しぶりです。
国の事情は大丈夫ですか?」
「大丈夫です、やっと貴族の説得に成功しました。」
「俺が言うのもどうかと思うけど、結構やったよね。」
「わかっているなら加減してもらいたかったのですが・・・」
ルイスはジト目を向けてくる。
「戦争中だったからね、加減する気はなかったよ。」
「そうなんですけど・・・あっ、兄様が使者として来てますのでお話をしてもらえますか?」
「もちろんだけど、その、ディーンさんは?」
まだ姿が見えないディーンを探す。
「すぐに来ますわ、私が少々先行してしまいましたので。」
ルイスは苦笑いしていた。
「ルイス駄目じゃないか、先に行き過ぎだ。」
ディーンがやって来たのは1時間たってからだった。
「ディーンさん、お久しぶりです。」
「ヨシノブさん、お久しぶりです。
この度は我が国の貴族が迷惑をかけました。
本来なら攻められた時に援軍を出すべきだったのに、見殺しにするような真似を・・・」
ディーンはまず謝罪をする。
「気持ちはわからなくもないです。ただ、結果私達は独立を果たしました。
マルドラド王国はこの事については?」
「もちろん認める、危機の時に助けもしなかった我が国がとやかく言える事ではないからね。
その上で、友好的な付き合いをお願いしたいのだが。」
「友好的な付き合いですか?」
「虫がいいのはわかってはいるが、どうだろう?」
「構いません、お二人に怨みがあるわけではないですし、こちらこそ、ラードの街を破壊しつくしましたから。」
「いや、それのおかげもあるんだ、圧倒的な力の差を見せつけられた事で貴族達も腰が抜けたようでね、私達の話が通ったのだよ。」
「そうでしたか。まあ、外で話すのもなんですから、どうぞ中へ、ささやかですが食事も用意しております。」
俺はディーン達を連れて、食堂に案内するが・・・
「父の仇!!」
ディーンの幕僚と思われる若い騎士がいきなり俺に剣を突き刺そうとする。
俺は修行の成果も有り、シンプルにかわそうとするが・・・
パンパン!ザン!
パウルが銃で剣を弾き、オットーが胴体を撃ち抜き、シモがクビをはねていた。
若い騎士は俺へ近付く前に死ぬこととなる。
「おとうさんをねらうのはシモがゆるさないのよ。」
シモは周囲に刀を向けて威圧している。
「リュルク男爵!何てことを!」
ディーンは嘆き叫ぶが、既に倒れているリュルク男爵は何も答えないのだった・・・
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