第233話 リョウから確認

「ヨシノブ、ポーションの出所お前だろ?」

リョウから電話がかかってきた。

「ポーション?」

「そう、中級ポーションがタケフミって奴から流通しているのだけど、知らないのか?」

俺は少し考える・・・

「あっ!低位なポーションならタケフミくんの妹のマイちゃん経由でそっちにいってるかも。」

俺は以前に何気なく答えた事を思い出した。


「低位だったんだ、あれ。」

「そうだよ、中級ぐらいになると少し値をはるからね、タケフミくんに渡す気にはなれないな。」

「うん?タケフミって奴はお前の信用厚いんじゃないのか?

それで先行して日本に帰したのでは?」


「へっ?いや、逆に取扱いに困って日本に返品しただけ、あれは女の子を襲おうとするし、自分勝手な奴だからね。」

「なるほど、それなら腑に落ちるな。

まあ、あんな奴をお前が信用するわけ無いか。」

「その様子なら何かやらかしたんだね?」

「そうなんだよ、聞いてくれよ、というか聞け、お前にも責任あるからな。」

「・・・嫌な結果しか見えないなぁ〜」

俺はリョウから事情を聞く、どうやらポーションを使って荒稼ぎを行い、増長した上、リョウの婚約者を襲おうとしたらしい・・・


「なるほど、わかったポーションはそっちに送らない。」

「いや、待て、今更無くなるとこっちが混乱するし、源家のせいにされかねない、俺の方に送ってくれないか?」

「わかったよ、お前の嫁さんに迷惑かけた事もあるしな、今後は源家を窓口とするよ。」

「嫁さんじゃないけど、ありがとう、数は用意出来るのか?」

「うーん、今の所輸入に頼るからな、ある程度としか答えられない。」

「どれくらいだ?」

「そちらに渡せるのは・・・シモ、ポーションの予備って幾つある?」

話を横で聞いているシモに確認してみる。


「今すぐ渡せるのは低級ならニ千なのよ、中級は三百、上級なら二十なのよ。

おかあさんなら輸入量もわかるのよ、呼んでくる?」

「リョウ聞こえたか、それぐらいらしい。」

「いや、充分だ、それっていつ届く?」

「送ればすぐだぞ、住所だけ教えてくれ。」

「了解、住所は・・・」

リョウの住んでいる場所を教えてもらう。


「それで報酬は何がいい?」

リョウは対価を確認してくる。

「貸しでいいぞ、どうせ金も貰えないからな。」

「貸しが一番高くつくのだが・・・」

「なら爺さんの返品で。」


「借りとくよ。」

「まいどあり♪お前に貸すと便利に使えるからいいよな。」

「程々で頼むよ。」

「まあ、本気で帰還方法探してくれ。

あと、帰国した者の保護を頼むよ、タケフミ以外。」


「了解、それはちゃんとやるが、帰還方法はあるかはわからないぞ。」

「大丈夫、ちゃんとしてるのは解っているから、あっ、そうだ、こっちでいい化粧品が作れたんだ、今回のお詫びにそっちに送るから嫁さんにあげなよ。」


「それって、イギリスに送ってないか?」

「送ってる、こっちで保護しているルナって子の実家なんだ。」

「この前、アズサが悔しそうにしてたんだ。

助かるよ。」

「じゃあ、一人分贈るね。」

「ま、待て!渡すべき相手が多数いるんだ、多めに贈ってくれ!!!」

「あっ!電波が悪いや、聞こえなーい、ハーレム野郎は苦労しやがれ〜♪」

「聞こえてるだろ!こら!ちゃんと贈れよ!」

俺はあえて無視して電話を切るのであった。


後日、1本先に贈ったあと、時間差で複数贈るイタズラをするのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る