第222話 修行

基地に帰ると・・・

「さて、ヨシノブよ、修行とするか。」

アキラに肩を掴まれる。

「ア、アキラさん、そんなに慌てなくても。」

「何を言っておる、子供達は既に準備出来ているではないか?」

ふと、俺が見るとオットー達が木刀を持って立っていた。


「良い子達だな、さあ始めるぞ。」

「わーい!」

子供達は無邪気な声をあげるが内容は地獄であった。

まずは魔力による身体強化術を徹底的に叩き込まれる。

全身に行き渡るように行うのだが、アキラは均等になっていない場所を竹刀で叩いてくる。


「痛いですって!」

「痛くないと覚えんじゃろ、痛いのが嫌ならさっさと覚えんか!」

アキラは容赦なかった。

しかし、子供達も頑張っている手前、俺が泣き言を言える訳がなく、一日中叩かれながら、身体強化に励む。


そして、1週間身体強化のみに励んだところ・・・

「まだまだ甘いが・・・まあ、いいだろう、次の段階にいくぞ。」

「ま、まだあるんですか?」

「たわけが!これからに決まっておろう!さあ刀を構えよ!」

俺は剣道でやったように構える。

自衛隊のスキルもあわさり有段者ぐらいの実力はあるはずなのだが・・・


「やれやれ、足元の警戒が甘い!

剣道とは違うと理解せんか!」

アキラに足元を薙ぎ払われる。


「いてぇ・・・」

「さっさと立たんか!相手は待ってくれんぞ!」

横たわる俺に追撃がくる。

「ぐはっ!」

こうして痛みとともに俺は日々しごかれていた。


一方シモは・・・

「おじいちゃん、シモも特訓したいのよ。」

「じゃがのう、幼子のしかも女の子に打ち込むのはのぅ・・・」

「なら、おじいちゃんは受けてくれたらいいのよ、シモが一方的に打ち込むのよ。」

「それはよい、打ち込んで来なさい。」

シモは魔力で身体強化をして、全力で打ち込む。

「おお、いい腕じゃ。」

アキラはシモの剣をあっさり受け止め、褒める。

「悔しいのよ、もっと早くいくのよ。」

シモは更に速度をあげる。

常人には打ち込んでいるのがわからない程の速さとかしていた。


「ふむ、いいぞ、その調子じゃ、そのまま横薙ぎじゃ。」

「こうなのよ?」

「そうじゃ、もっと一太刀一太刀に連動をもたすのじゃ。」

「にゃぁぁぁぁ!」

「良いぞ!もっと打ち込んでこい!」

「にゃあなのよ!」

アキラとシモの訓練は続く。


「・・・なぁ、お前あれができるか?」

「無理だな、シモは人をやめてるな。」

「だけど!」

「負けてられん、パウル俺に打ち込んでこい!」

「いくぞ、オットー!」

パウルとオットーは二人で訓練をする。


二人の実力は互角で有り、共に打ち合いながら切磋琢磨し、腕前を上げていく。

そして、動きの邪魔になったのか二人共上半身ハダカになり打ち合うのだった。


その姿は一部の者達に記録として残されるのだった。

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