第221話 戦後処理

俺はツバサを殺したあと、戦後処理に入る。

ファイの調べによるとツバサ達は住人を既に生け贄として捧げて魔法陣を描き、その上、軍勢を生け贄にしてアキラを召喚したとの事だった。

「ファイ、生け贄が多ければ世界を繋げれるのか?」

「うーん、出来るみたいですね。私も専門じゃないですから断言出来ませんが、結果を見るとそうなのでしょう。」

「・・・まあ、この手段で帰国は無しだな。」

「もちろんです。」


そして、この結果をアランに伝えた。

「つまり父アレクは・・・」

「亡くなっておられるかと。」

「父上・・・」

アランは涙を流していた。


「失礼した、ヨシノブ殿、今回の援軍感謝致す。」

暫く涙を流したあと、アランは立ち直り御礼を述べる。

「いえ、こちらこそアレクさんを助ける事が出来ませんでした。

お悔やみ申し上げます。」

「父も喜んでいると思います。」


「それで今後の事なのですが、この地はもちろんアランさんにお渡しします。」

「かたじけない。」

「いえいえ、世話になった方の救援も出来ませんでしたから。」

「このアラン、この御恩生涯忘れません。」

「そこまで思わなくてもいいですよ、今後も友人として仲良くしていきましょう。」

「もちろんです。これからは義兄弟として仲良くしましょう。」

「義兄弟ですか、いいですね、じゃあ、盃でもかわしましょうか。」

俺とアランは盃をかわし、俺は義兄弟の契りを結んだつもりだった。


それから暫くは軍の休養と周囲の魔物退治を行っていたが、そこで戦っていたノースを見つけた。

「ヨシノブ殿には主君オスカル様の仇を討っていただき感謝いたします。」

「ノース殿にこの地はアランさんに任せて我ら他国の軍は引き上げたいと思うけど大丈夫かな?」

「大丈夫にございます。周囲の魔物退治までしていただき、感謝のしようもございませんが。」

「援軍についてはアレクさんの要請で行ったものだから、報告にはアレクさんの手柄を大きく書いて欲しい。」

俺はアレクの手向けとして最大限の名誉をおくりたかった。

「かしこまりました、戦いを生き残ったものとして必ずや報告いたします。」

「よろしく頼むよ。」


こうして俺はローラン王国から引き上げる。


残されたカクタス領は当主ラスカルがやって来て復旧を始める。

失った住人は各地から集め、少しずつだが、町は復旧していくのだった。

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