異世界に飛ばされて！

第220話 タケフミ暴走

「カエデちゃん少し話があるんだけど。」

タケフミは引き止めるショウをまき、掃除をしていたカエデの元に来ていた。

「えっ、タケフミさん？何のようでしょうか？」

カエデは怯えるようにタケフミの様子をうかがうが、タケフミは全く気付いていない。

「日本に帰った後の話なんだけど、俺の保護もお義母さんに頼めないかな？」

「えっ、でも、失礼ですが、タケフミさんの面倒を見るほど、うちと関係が無かったような・・・」

マイやユカリは子供の頃から何度も家に来ているし、多少とはいえ、ユカリの家族とは家族ぐるみの付き合いがあった為、モミジに頼む事もしやすかったが、マイの兄というだけであまり接点もなく、マイの家とは今回の事まで付き合いも無かった。

その為、モミジに頼みにくい話であり、そもそも世話をやく理由も無いのであった。

「何を言ってるんだい？俺とカエデちゃんの仲じゃないか？」

タケフミはカエデの横に座り、近寄ってくる。

「止めてください！」

カエデは席を立ち、タケフミと距離をとる。

「カエデちゃん、照れなくてもいいよ。」

「何の話ですか！」

「俺の事が好きなんだろ？」

「えっ？」

「ほら、俺の胸に飛び込んでおいで。」

「・・・ありえません。」

「なんだって？」

「ありえないって言ったんです！

何で私がタケフミさんの事を好きって事になっているんですか！」

「だって、俺に優しくしてくれてるし、いつも照れて視線を反らすじゃないか？」

「優しくしているのはマイのお兄さんだからです！

それに視線を反らすのは・・・気持ち悪いから・・・」

カエデは言いにくそうに、しかし、はっきりと伝える。

「なっ！俺が気持ち悪いって！」

「気持ち悪いです！いつも胸やお尻を見てるし、お尻を触ろうとしてるのも一度や二度じゃないですよね！」

「い、いや、そ、そんな事はしてないぞ。」

「してます！だから、いつも距離をとろうとしてるのに、妙に近くにくるし、迷惑なんです。」

「くっ、俺が下手に出ていれば言いたい放題いいやがって！

こうなったら既成事実を作ってやる！」

「や、やめてください！」

「なに、娼館で鍛えたテクニックで気持ちよくしてやるよ。」

「娼館なんて・・・女の人を買ってたんですか！最低！！」

「なっ！俺の事が最低だと！くそっ！じゃあ、お前もその最低な身体にしてやるよ！」

「離して！」

カエデの手を掴み、服を脱がそうとするが・・・

「そこまでだ！タケフミ、カエデちゃんから離れろ！」

ショウが駆け付け、銃口をタケフミに向けている。

「なっ！ショウ、銃を向けるなよ・・・」

タケフミはカエデに覆い被さったまま、手を上げる。

「タケフミ、カエデちゃんから離れろ。」

「友達を撃つつもりか？」

「離れろと言ってるだろ。」

「わ、わかった、お前もやりたかったのか？

じゃあ、俺が終わってから・・・」

パン！

ショウはタケフミに当たらないが近くを通るように一発放つ。

「脅しのうちに離れろ。」

「わ、わかったよ。くそっ！」

タケフミはカエデから離れる。

「カエデちゃん大丈夫？」

「ショウさん、大丈夫です。

ありがとうございます。」

「いや、俺の方こそ管理が出来て無くてすまない。

タケフミ、手を壁につけろ！」

「な、何をするつもりだよ。」

「こうなった以上、タケフミの自由を無くさせてもらう。」

「なっ！」

騒ぎを聞き付けた兵士が走ってやってきた。

「タケフミを拘束してください。

ヨシノブさんが帰ってくるまで見張りをつけて部屋から出さないでください。」

「はっ！こっちにこい！」

「は、離せ、痛い、そんなに強く縛るな！」

「やかましい、犯罪者に情けなどいらん、命があることを感謝するんだな。」

兵士に連れられ、タケフミは拘束され監禁される事になるのであった。