第206話 何気ない朝?
翌朝、何かすっきりした朝だった。
「おはよう、リミ。」
食堂でリミを見かけたので挨拶をしたのだが、リミは顔を真っ赤にして、うつむきながら・・・
「ヨシノブさん、おはようございます。」
小さな声で挨拶を返してくれる。
俺が不思議に思う中・・・
「リミどうしたの、お顔が真っ赤なのよ?」
シモがリミに問いかける。
「シモちゃん、今はそっとしておいて。」
「不思議なリミなのよ?おとうさんおはようなのよ。」
「おはようシモ。」
「一緒にご飯を食べるのよ。」
「そうだね、一緒に食堂に行こうか。」
俺達は三人で食堂に座るのだが、
食事中・・・
「おとうさんのソーセージ美味しそうなのよ、一つちょうだいなのよ?」
シモは俺の皿においてあるソーセージを欲しがる。
どうやらシモは朝から甘えたがりが出ているみたいだった。
「取りに行けばいいのに?まあいいよ、はい、お口をあけて。」
「あーん、なのよ♪」
俺はソーセージをシモの口に入れる。
「美味しいのよ、おっきくてお口からこぼれるのが難点なのよ。」
シモは嬉しそうにソーセージを頬張るが、リミは何故かその光景を見ようとしない?
「リミどうしたの?」
「あ、あの、その何でもありません!」
俺の問いに誤魔化すように答える。
「わかった、シモが羨ましかったんだろ?リミもいるかい?」
「えっ、そんなつもりじゃなくて・・・」
「遠慮しなくていいよ、俺はサリナ程マナーについて言わないから。」
俺はソーセージを差し出す。
「それじゃ遠慮なく・・・あーん。」
俺はリミの口にソーセージを入れる。
「おっきいです・・・」
食べているリミの横にファイがやって来て・・・
ヨシノブに聞こえない小さな声で、
「ヨシノブさんのソーセージは美味しいですか?
昨晩は食べれませんでしたもんね。」
「ブッ!ゴホゴホ、ファイさん何を!」
リミはむせる。
「リミ大丈夫かい?」
「だ、だいじょうです!」
リミは咳き込みながらも身振り手振りで大丈夫をアピールする。
「リミちゃん興味があるなら聞きにきてね、カエデが何であーなってたかも教えてあげる。」
「ファイさん!」
「じゃあ、私も朝食を取ってくるわね。」
ファイはリミをからかうように去っていった。
その姿に訳がわからない俺は首をかしげ、シモは気にすることなく、口をあけて次の食事を貰おうとしていた。
なお、その日の朝はカエデが姿を見せる事はなかった、俺が心配して見舞いに行こうとするとファイが・・・
「大丈夫です。私がちゃんと見てますから!
ヨシノブさんが来たら逆効果ですよぉ~」
ファイが必死に止めていた。
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