第197話 マツと対談
「ヨシノブ様、ウメ殿の姉であるマツ殿をお連れしました。
それと、勇者の所業なのですが・・・」
マロニーがウメの村人達を連れてくる。
そして、会う前に事情を教えてくれる。
「ふぅ、ツバサくんはやらないといけないかな・・・」
惨劇を引き起こした責任を求めることになると感じていた。
そして、俺はマツに会う。
「ようこそお越しくださいました、ひとまずは皆さんには休息出来るように支度してありますのでどうかお休みを。」
「それはありがたいです。皆さんお言葉に甘えて休ませてもらってください。
それでウメは何処に?」
軽い挨拶が済んだところでウメが駆けてきた。
「お姉さま!」
「ウメ!」
姉妹は抱き合い再会を喜び合う。
「お二人は積もる話もあるでしょう、今日はゆっくりなさってください、色々な話は明日にしましょう。」
俺は二人に休むように伝え、その日は何もしなかった。
翌日
「昨日は挨拶もほどほどに失礼いたしました。
村の者達への配慮も重ねて御礼申し上げたい。」
マツはウメを連れて俺の所にやってきた。
そして、深く頭を下げ、失礼を詫び、御礼をのべていた。
「久しぶりに再会出来たのです、仕方ないと思ってますよ。
それより話し合えましたか?」
二人は両者に起こったことを話し合い、互いに悲しみを共有していた。
「はい・・・つくづくあの男には恨みができました。」
「申し訳ない、あの男と同郷の者として謝罪したい。」
今度は俺が頭を下げる。
「頭をおあげください、ヨシノブさんが関係ない無い事はウメから聞いております。」
「それでも同郷の子供が起こした不始末だ、まずは謝罪を。」
「わかりました、謝罪を受け入れます。
それより今後についてお話したいのですが・・・」
「ええ、私としてはあの男ツバサを始末しようと思っております。」
「先程もおっしゃっておりましたが、同郷の者を始末してよろしいのですか?」
「残念だとは思ってますが、彼はしてはいけない一線を越えたと思っております。
ここは同郷の者として責任を取らす必要があると思っております。」
「それなら、見つけたら我等に引き渡してくれませんか?父の仇を取らせて貰いたいのです。」
マツは真剣な視線を俺に向けてくる。
「わかりました。貴女にはその資格があります。
ですが、彼は曲がりなりにも勇者、どんな力があるかわかりません。
捕縛の際に殺してしまう可能性はあると思っていただきたい。」
「勿論、それは仕方ないと思っています。
ただ、彼を捕縛に向かう際には私達も連れていって貰えないでしょうか?」
「ええ、必ずお知らせいたします。
彼の居場所が見つかるまではこの基地にて過ごしてください。
この基地にはそれなりの情報が集まって来ますので闇雲に探すよりはきっと早く見つかると思います。」
「何から何までありがとうございます。
村人共々お世話になります。
その代わり何かお手伝い出来ることがあれば何なりとお申し付けください。」
「そんなに気を追わなくてもいいですよ、まあ、何かあればお願いしますね。」
こうしてマツ達、勇者の末裔は基地で暮らす事になったのだった。
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