第190話 我慢大会?

「いいですか、痛いと言ったら即座に針を抜きますからね。」

「おう、さっさとやってくれ!」

オットーは最初に針を打ってもらう。


「じゃあ、いきますよ。」

ファイは針を刺し込む・・・

「ぐっ・・・」

「痛いですか?」

「そんなこと無い!痒いぐらいだ!」

オットーは痛みに耐える、

「その針を打っている間、強化されていってます・・・

でも、何かあったらいけないので意識がなくなったら直ぐに抜きますよ。」

「この程度でへこたれる俺じゃない!」


「オットーがいけるなら俺も大丈夫だな!」

次にパウルも針を打ち込み、

「ぐっぅぅぅ。」

「痛いですか?」

「痛くない!この程度か・・・」

パウルは油汗を流しながらも耐えていた。


「ファイ、私にも打つのよ!」

シモもファイに頼み打ち込む。


続けて全員が針を打ち込んでいった・・・


3時間後・・・


「ぐぬぬ・・・オットーやるなぁ・・・」

「なんだパウル、もうギブアップか?」

「そんなはず無いだろ?まだ足りないぐらいだ!」

既に他の子供達は針を抜き終えている。


しかし、この二人はいまだ互いに牽制し合い耐えていた。

「あの・・・そろそろ止めた方が・・・」

ファイは心配になって聞いてみるが・・・


「「やかましい!」」

二人とも聞く耳を持たない。


一方シモは・・・

「この針、気持ちいいのよ・・・眠くなってくるのよ・・・ダメなのよ、耐えないといけないのよ。

なんて厳しい修行なのよ・・・」

何故か眠そうな目をしながら目をこすり、必死に耐えていた。


「シ、シモちゃん痛く無いの?」

ファイの質問に、

「痛く無いのよ、でも眠いのよ・・・

ファイ、これは耐えるのが厳しいのよ・・・

でも、修行だから耐えるのよ。」

シモは自身の足をつまみながら眠さに耐えていた。


「ええ・・・」

ファイは痛みに耐える二人にも驚愕していたが、心臓に針が刺さっているのに

気持ち良さそうにしているシモにドン引きしていた。


それから3時間後、二人がついに痛みに気絶した為に慌てて針を抜く、ついでに眠そうにしていたシモの針も一緒に抜くのだった。


こうして子供達の魔力の増大は成功したのだ。

そして、ファイの指導の元、魔力の使い方を覚えていくのだった・・・


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