第189話 子供達の戦力強化

「みんなよく聞け!俺達の攻撃が効かないゴミが現れた。

そのままで良いのか!

否!

我等は新たな力を得ねばならん、幸いその道はシモの尊い犠牲により見えている。」

ヘルマンは子供達を集めて演説を開始していた。

「シモは死んでないのよ、ちょっと失敗しただけなのよ、あれは事故なのよ・・・」

シモはヘルマンにジト目を向ける。


「我等は魔力に目覚めなければならない!

これより魔力を練る修行を行う!

目を閉じろ、そして、体内にある光を探すのだ!」

ヘルマンの声に全員目を閉じる。


「光が見えた者は手を上げろ。」

およそ30人が立ち上がる。

「おめでとう、お前達は親衛隊に任命する。

主におとうさんとおかあさんの警護を担当することになると思ってくれ。

オットー、お前が指揮官だ。良いか?」


当然の如く、パウルとオットーは選ばれていた。

「もちろん引き受けた!」


オットーは元気よく宣言する。

「俺達はこれより親衛隊として誇りを持たねばならん!

これより俺達はどんな敵にも負けてはいけない!

その為には訓練が必要である。

全員、ついてこれるか!」


「「おお!」」

「ならば共に修羅の道を歩もう!

誰一人落伍者が出ない事をここに誓おう!」

「おう!任せとけ!」

こうしてヨシノブの知らない所で親衛隊が組織されていた。


「我等が親衛隊を名乗るにはまず力を得ねばならん、その為に講師をお呼びした。」

ファイが呼ばれてきていた。

魔族である彼女は魔力の扱いにたけている為だった。


「我々の魔力を上げるにはどうしたらいい?」

「普通は魔力を使いきった後、全回復させると少し増えてるから、それの繰り返しかな?」

ファイもヨシノブの身を守るためと聞かされており、彼女にとってもヨシノブの安全は美味しい物の確保に繋がる、子供達に非常に協力的だった。


「普通と言いましたね?じゃあ普通じゃないやり方があるということだよね?」

パウルはファイに質問する。


「いい質問ですねぇ~人が魔力を得るには限界があります、それは毎日魔力を使いきったとしても上がる量は少ないからね。

でも最近魔族で研究されたやり方だと、人の魔力を格段にしかも早く上げる手段が見つかったんだ。」


「おお・・・ならばそのやり方を!」


「ただし、このやり方はお勧めしないのですよ。

このやり方は魔力を生み出す心臓に特殊な針を刺してその刺激により無理矢理魔力を引き出す方法なんだけど・・・

非常に痛いのです。」


「痛みぐらいがなんだ!」


「いやいや、実験に使用・・・もとい、協力した方は痛みのすえ発狂したとありましたから。」


「関係ない、それは耐える理由がないからだ!俺達とは違う!

さあやってもらおう!」

オットー以下、全員が針を希望する。


「わかりました、ただし、痛かったら言うのですよ、直ぐに止めますからね。」

こうして、子供達の魔力増大計画が実行されるのであった。

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