第185話 ウメ馴染む

「シモちゃん専門家ってひどくない?」

「ごめんなのよ、でも、お話出来るのは同じ立場の人だと思ったのよ。」

「まあ、そうだよね・・・ヨシノブさん、これからデリケートな話をするから出ていって貰えないかな?」

「ああ、女性の事は女性に任せるよ、

辛いかも知れないけど、ミキさんお願いできる?」

「はい、大丈夫です。私にはショウもいますし。」

ミキは笑顔で答える。

ミキは自分の境遇をウメに伝えてどう乗り切ったのか、そして、受け入れくれる人は必ずいるということ、そして、此処にはその事を責めるような人はいないと何度も伝えた。


説得が実り、ミキの誠意がウメに伝わり、ウメ自身が新たな道を歩む事を選択出来るようになった・・・


そんなある日、

立ち直ったウメは基地の洗濯をしていた。

ウメ自身が何かさせて欲しいとの要望で、基地の雑務を引き受けてくれていた。


「ウメさん、無理はしなくていいからね。」

「あっ、使徒様、大丈夫です。里でもやってたことですし。」

「それならいいけど、何かあったらミキさんやサリナに相談しなよ。

あと使徒じゃないんだけど・・・」


「はい、ありがとうございます。

でも、トート様からお力を授けられた御方は使徒様とお呼びするしかないかと・・・」

「いや、そんな事はないから、ヨシノブでいいよ。」

「・・・わかりました。ヨシノブ様とお呼び致しますね。」

「いや、様も無くていいんだけど・・・」

俺とウメの話している姿をオットーとパウルは眺めていた。


「ウメさんいいよなぁ~」

「おい、パウル、今度はウメさんか?」

「だって、よくないか?綺麗だし、働き者だし、何より優しいじゃないか。」

「そうだよな、最近女の子達は何か距離あるしな。」

二人は女の子に話しかけても何故かぎこちない事に困っていた。

「嫌われてる感じじゃないんだけどなぁ~」

「そうだよな、今もチラチラ見られてるし・・・」

オットーが視線を向けると露骨に視線をそらす女の子が多数いる。


「その点、ウメさんは普通に接してくれるし。」

「それを言うならリーナ様も普通に接してくれるじゃないか?」

「あの方はそんな眼で見たらダメだろ。さすがに子供すぎる・・・ってオットーまさか!」

「いやいや、俺達の年の差を考えたら大丈夫だろ?」

リーナ7歳、オットー12歳年齢差だけなら・・・


「アウトだよ!リーナ様は全く成長してないよね!」

「そりゃ実際リーナ様には手を出したりしないよ。でも、年の差なら・・・」

「オットー、おまえ・・・」

パウルも少し引く・・・

「おいおい、引くなって、実際手を出した訳じゃないんだから!」

「出してたら友達やめるわ!」

「それに考えろよ、ここにいる7歳に手が出せるか?」

たまたま通りかかるシモを見る、彼女は9歳少し歳は上だが、手を出せるとは思えなかった。


「目付きが怪しいのよ、何を企んでいるのよ?」

シモと視線があい、シモがたずねてくる。

「いや、何でもないよ。オットーがリーナ様に欲情出来るって話をしてたから、つい歳の近いシモを見てしまっただけだ。」

「オットー手を出したら、オットーのオットーがいなくなるのよ。

そうなるとパウルが後ろになるのよ。

かけ算崩壊の危機なのよ。」


「やらないよ!

って、そのかけ算って何なんだよ!」


オットーと話しているなか、シモは電話をとる。

「オットー喜ぶのよ、オットーが前派もいるそうなのよ。」


「話を聞けよ!」


「いつオットーのオットーがいなくなっても大丈夫という話なのよ。」

オットーは思わず内股になる。


「くれぐれも気を付けるのよ。

男の子の悪さは息子さんの命がかかっているのよ。」

シモはそう告げて去っていった・・・


「女って怖い・・・」

「だから、無理だって言っただろ・・・」

パウルとオットーは内股になりながら家に帰るのだった。

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