第186話 ルール襲撃

「少しいいですか?」

ルナが基地にあるグランドでダイエットの為に走っていると声をかけられる。


「はい?何でしょう、というかどなたですか?」

ルナは見たこと無い人に警戒する。


「私は神族のルール、あなたに加護を授けに来ました!」

あまりに怪しい言葉にルナは距離を取る。


「・・・間に合ってます。勧誘は他の方にしてください。」

「ちょっと、なんですか!神の私にそんな態度をとっていいと思っているのですか!」

ルールは少し怒り気味に言う。


「だ、だって、いきなり知らない人が神とか言い出したら、気持ち悪いですよね?」


「まあ、それは・・・って、そんな事はないです!

それより、私が加護を授けてあげると言ってるのに、何ですか!」


「必要ないです。」


「うー頭にきました!あなたには呪いをかけることにします!」


「遠慮します。」


「遠慮なんかさせません!いいですか、とっておきの呪いを・・・どれにしましょうか?」

ルールはルナにかける呪いを選んでいる。


「これにしましょう!ビッチの呪いです。

これは酷いですよ~

男の人と繋がってないと頭がおかしくなる呪いです。」


「な、何なのよ、その呪い!」

「いつかむかつく上司に使ってやろうと準備してた取って置きです!特別に貴女に使ってあげますよ~」


「や、やめて、やめなさい!」


「今更遅いです!今後の人生、ビッチとして生きていきなさい!」

ルールが使おうとすると・・・


パン!パン!


「ルナ、離れろ!」

騒ぎを聞き付けた俺が牽制にルールの足元を撃つ!


「おっと!危ないじゃないですか!」

「お前は誰だ!何をしようとしている!」

「私は神のルールです、神たる私を侮辱した者に天罰を下す所です、邪魔しないでください!」

ルールが手を振ると突風が起き、俺以外の者は軽く吹き飛ばされる。


「おとうさんが危ない!グランドにいる敵に向けて、全員一斉射撃!」

スピーカーからリミの声が聞こえると、グランドにいた者は懐に入れていた拳銃を構え、官舎の窓からは機関銃MINIMIの銃口がルールに向く。


「ルナ!早くこっちに!」

俺はルナを呼び寄せる。

ルナが俺の所に駆け寄ると・・・


「全員撃て!」

ルナの退避と共に、スピーカーの声に合わせ、一斉射撃が敢行された。


しかし、銃弾はルールに届くこと無く中に浮かぶ。

「なんだあれは?」

「神に逆らうとは、信心の足りない子供ですね。天罰を・・・イタッ!」


一発がルールに届く。


「みんな徹甲弾に変えるのよ!」


シモの声に全員弾を変え、射撃を再開する。

「イタタタタ!!痛いって!」

しかし、ルールは痛がるだけで傷を負っている感じはなかった。

「痛いって言ってるでしょ!」

ルールは突風を放ち、俺以外の周囲の者が飛ばされる。


「もう、怒りましたよ!

人が神に逆らう愚かさを教えてあげます!」

ルールは周囲に炎を放ち始める。

「私の得意技ですよぉ~」

ルールの手に青い炎が集まってくる。

「さて、これが神の炎です!灰も残さず消え失せ・・・あれ?」


俺が撃った弾がルールが届き、腹から赤い血が流れる。


「なぜ・・・」

「俺の子供達に危害を加えるのは許さん!」

「なんで!なんで私に人ごときの攻撃が届くのですか!」


「そんなの知らん!だが、俺の子供に攻撃しようとした酬いを受けろ!」

俺の拳銃の弾はルールに届く。

「なっ!その力はトート様の!」

ルールは何発か喰らうが、残りは結界を強く張ることでなんとか耐える事が出来た。


「ならば、これならどうだ!」

俺は対戦車弾を放つ!

「何よそれ!」

ルールは更に強化した結界ごと吹き飛ばされる。


「これも防ぐか、ならば!」

俺は10式戦車を呼び出し主砲の120㎜砲が火を吹いた!

「なっ!そんなの当たったら・・・」

「くたばれ!」

「て、転移!」

ルールは当たる直前で姿を消したのだった・・・




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