第149話 ルイスの悩み
ファイが来たことにより、ルイスに焦りが出てきていた。
「また、女性が増えた・・・しかも、今度は妙齢の・・・」
ルイスとしては婚約のつもりで渡した短刀もヨシノブには伝わっていない、兄ディーンが当初伝えていたように、解除されてると思っているふしもある。
降嫁する為にヨシノブの地位を上げねばならないのに、ヨシノブはあまりマルドラド王国に寄与しない上、マインズ王国との兼ね合いから地位を上げれずにいる。
そして、子供達の邪魔も酷い、ルイスがヨシノブに近付くと何処からともなく子供が集まってきて二人きりにしてくれない。
こんな状況で男女の仲を進めるなんて無理だった。
行き詰まったルイスはサリナに相談する事にした。
「サリナさん、何とかヨシノブさんと二人きりの時間を造れないでしょうか?」
「ルイス様、焦らないでも良いのではないのでしょうか?
ルイス様はまだ若いのですから、ヨシノブさんはまだ女性として見てないと思うのですけど。」
「でも、私は・・・」
「気持ちはわからないでもないですけど、これはヨシノブさんの好みもありますし・・・
焦らずに距離を縮めればいいのです。
そしたら、ヨシノブさんが女性と感じる歳になりますよ。」
「うー、私は早くそうなりたいのに!」
「たぶん無理ですよ、カエデさんもマイさんもアピールしてるみたいですけど、相手にされてないみたいですし・・・」
「サリナさん、余裕ですよね・・・」
ルイスはジト目をサリナに向ける。
「あはは・・・だって、ねっ、」
「うーずるいですよ!」
「こればかりは歳のものですから、それにその分私の方が先に老いてしまいますから・・・」
「それでも!」
「ルイス様、私は約束を忘れた訳ではないですから、機会はご用意致します。
ただ、今用意してもヨシノブさんは答えてくれないと思うのです。」
「・・・わかったわ、でも、子供達の邪魔は止めてくれないかな?」
「うーん、言ってはみますね。」
「お願いよ。」
こうしてルイスはサリナの援護を要請するのだった。
そして、サリナも子供達にルイスがヨシノブの側に来た時に集まることを控えるように伝えた。
その言葉に子供議会は戦慄が走る。
「大変、大変なのよ、おかあさんからルイス阻止作戦の中止命令が出たのよ!」
「なに!おとうさんとの接近を許せというのか?」
「そうなのよ、おかあさんの寛大な心が私達を止めるのよ。」
「くっ!仕方ないのか!」
「他に何か手段はないか?」
考えたすえ、ヘルマンがみんなに伝える。
「なあ、ルイスが来たら集まるのを禁止されたなら、ルイスが来る前におとうさんの側に誰かいればいいんじゃないか?」
「それなのよ!」
「邪魔するのは僕達じゃなくてルイスということにすればいいんだ!」
「おとうさんに護衛も必要だしな!」
「よし、索敵を厚くするんだ、絶対にばれるなよ。」
「各自、連絡を忘れるな!」
「おとうさんの貞操を守るぞ!」
「「おーーー!」」
子供達はあくまでもルイスの邪魔をするつもりだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます