第150話 エルフの里へ
俺は膝を完全に治す為にエルフの里に向かおうと考えているが問題があった。
両膝を壊した為に歩く事に支障が出ているのだ、そして、エルフの里は森の中にある。
この膝で向かうのは難しかった。
そこで誰かの手を借りたい所だが、子供達だと力が足りない、ショウ一人だと無理があるだろう。
俺が悩んでいると、
「ヨシノブさん、私がいますよ。」
ファイが立候補してくれる。
彼女は魔族であるため、身体能力はかなり高い、人一人ぐらいなんでも無いとの事だった。
「ファイさん、お願い出来るかな?」
「お任せあれ~」
こうしてエルフの里に向かうことを決めたのだが・・・
「駄目なのよ!危険で危ないのよ!」
シモが猛反対してくる。
「シモ、何が危ないのかな?エルフの人達は友好的だから大丈夫だよ。」
「エルフは関係無いのよ、でも、おとうさんが危ないのよ。護衛が必要なのよ。」
「シモちゃん、私も結構強いんだよ。護衛ぐらい簡単よ?」
「ファイの強さは関係無いのよ!」
一生懸命ダダをこねる、シモに俺は折れ、シモも連れていく事にした。
「あの、シモちゃんが行くなら私も連れていって貰えませんか?」
珍しくカエデが主張してくる。
「カエデちゃん?基地でのんびりしててもいいんだよ?」
「ううん、ヨシノブさんが大変な時ぐらい、身の回りのお世話ぐらいお手伝いさせてください。」
「うーん、特にすることは無いと思うけど、まあお願いするかな。」
珍しいカエデのお願いに俺は承諾することにした。
結局行くメンバーは俺とファイ、シモとカエデの4人と最近ヘリの操縦を覚えた、子供のルーデルが操縦士として立候補してきた為、一緒に行くことにした。
そして、俺はヘリ、スーパーピューマを呼び出し、エルフの里を目指すのだった。
里に着くとアルコが出迎えてくれた。
「ヨシノブさん、どうなされた?」
「実は、俺が膝を壊してしまいましたので世界樹の雫を貰おうとやって来たのですが、いただけますか?」
「よろしいですよ、ですがまた準備がありますので3日程お待ちいただけますか?」
「お願いします。あっ、今回も手土産を持ってきましたよ。」
俺はまた大量の菓子を渡す。
「おお、これは素晴らしい。前回のお土産も里の者がたいそう喜んだのです。
またいただけるとは。」
「喜んでいただけて何よりです。」
アルコに宿泊所に案内され、一息つくことにした。
「ヨシノブさん、お茶いれますね。」
カエデは部屋に着くとみんなの分のお茶を用意してくれる。
「ありがとう。」
カエデは全員分の紅茶を入れる。
元々日本でも紅茶が趣味だったようでカエデの入れる紅茶は他の誰よりも美味しかった。
「カエデ姉、美味しいのよ。」
「シモちゃんもわかる?今度一緒に入れてみる?」
「シモにも出来る?」
「大丈夫だよ。」
「やってみるのよ。」
シモもどことなく嬉しそうにしていた。
うん、やはり銃以外の趣味を持つことも大事だよな・・・
俺は子供達の教育に趣味を作る事を考える。
それからもカエデは甲斐甲斐しく俺だけじゃなく、みんなの面倒を見てくれていた。
その日の夜遅くまで、俺はファイと飲んでいた。
子供達はすでに眠りについており、二人で飲んでいた。
「ふぅ、ファイお前強いよな・・・」
「ヨシノブさんは弱いですよ。まだまだ、いけます!」
「俺はもう無理だよ・・・」
俺はそのまま寝てしまう。
「あらら・・・寝てしまいましたか?」
ファイは眠りについた俺をベッドに連れていく。
「さてと、ここからは私の時間ですよ~
こんな格好で寝ちゃだめですよぉ~
私が着替えさせてあげますね。」
ファイは俺を着替えさせる振りをしながら、脱がして行く。
「ふふふ、起きないなら私が食べちゃいますね~」
ファイはヨシノブの側にいれば美味しい物にありつけると確信していた。
そして、既成事実を作れば間違いなく責任を取ってくれるという目論みもあった。
それに傷物になった貴族の娘は他に嫁げと言われる事も無くなる。
父、フォルサが認めた男でもある。
ファイにとってヨシノブは最上の獲物であった・・・
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