第140話 ヨシノブ参加
ショウから報告を受け、俺はパーティーに参加する為、急遽魔族領に向かう。
「サリナさん、留守は頼むよ。」
基地に残る副官はサリナしかいないため、サリナを連れていくことが出来なかった。
「私はいいんです。それより、ヨシノブさん、気をつけてください。」
「俺なら大丈夫だよ、向こうにパウル達もいるしね。」
「それでも・・・やっぱり護衛を増やした方が・・・」
「襲われるなら、数を増やしても無駄だよ、それよりは・・・」
俺は襲われ、帰ってこれなかった時の為に港にミサイル護衛艦こんごうと、倉庫を増築し、食料、弾薬、各種武器などを多く残していく。
港にもいずもを置いていくことにした。
「これだけあれば当面大丈夫だと思う。」
「ヨシノブさん、長くなるのですか?」
「長くなるつもりはないけど念のためにね、それと・・・」
俺はさらにもしもの時の事をサリナにだけ伝えた。
「俺に何かあれば迷わず、こんごうに乗りマインズ王国に逃げるように、ルクスを通じて保護を頼んであるから。
マルドラド王国は貴族の動きが怪しいから、俺がいなくなれば、どう出るかわからない。
ルイスだと、貴族を押さえきれるかわからないからね。」
「ヨシノブさん。」
「サリナさん、子供達を頼んだよ。」
俺はサリナを抱き締め別れを惜しみ、俺はヘリで魔族領に向かった。
魔族領についた俺はショウのいるまやに来た。
「ショウくん、謁見ご苦労様。」
「ヨシノブさん、すいません。おれだけではどうにもなりませんでした。」
ショウは悔しそうに言うが・・・
「ショウくん、君は充分な活躍したよ、一番危険な初対面を乗りきったじゃないか。
此処からは俺の仕事だよ。」
俺はショウの頭を撫でる。
「ヨシノブさん。」
「でもショウくんもパーティーに参加するんだからね、それなりに覚悟と準備をしないとな。」
「ショウ兄は頑張ったのよ、いいこ、いいこしてあげるのよ。」
悔しそうな表情を浮かべるショウにシモが背伸びをして頭を撫でようとする。
それに気付きショウはしゃがみ、シモに頭を撫でられる。
「・・・シモ、なんでいるのかな?」
「お母さんと抱き合っている時に乗り込んだのよ。」
「シモはお留守番出来ない悪い子かな?」
「ち、ちがうのよ、おとうさんが心配だったからきたのよ。」
「はぁ、まあ、ついて来たなら仕方ないか・・・」
「おとうさん、だから好きなのよ。」
シモは抱きついてきた。
なんだかんだ、いってもシモは子供なのだ、
きっと甘えたい気持ちと寂しい気持ちでついついて来てしまったのだろう。
俺はシモを無事に帰す為にもパーティーを乗り切る事に集中するのだった。
シモはヨシノブと離れた後、パウル達の所に来ていた。
「シモ、おとうさんに無断でついて来るなんてどうしたんだ?」
「作戦本部の指令を伝えにきたのよ。」
「通信を使わないとは、それ程の機密か?」
「おとうさんにも内緒なのよ。」
「内容は?」
「おとうさんの身辺警護の強化なのよ、
あと、カールとハンスは艦に残り、いざという時はミキを騙してでも、主砲とミサイルで援護、パウルとオットーと私はおとうさんの警護なのよ。」
「シモ、警護はいいが武器はどうする?
パーティーなら拳銃を胸に仕込ませるぐらいしか・・・」
「その為に私が来たのよ、スカートの中に9㎜機関拳銃を一丁隠して行くのよ、
幼女の私のスカートの中を調べる変態はまずいないのよ。」
「その手があったか!」
「必要なら皆殺しも止む得ないのよ。
それより、パウルが見た屋敷の内部情報が欲しいのよ。」
「おう、これが見取り図だ。」
パウルはショウと行ったときに、目測でだが屋敷を調査していた。
それを図面におこしていたのだ。
それによりいざと行ったときの逃走経路、艦の砲撃目標、等の細かい打ちあわせを行う。
こうしてヨシノブの知らないところで殺伐とした打ち合わせが行われていた。
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