第118話 フィリアの頼み。

ルイスが来てから数日・・・

フィリアが俺に話しかけてくる。

「あ、あのヨシノブさん、ど、どうかマルコス商会に補給をお願いします。」


「補給か・・・そうだね、ショウくんも休ませたいし、俺が行くか、サリナに留守を任せて・・・」

「あの!サリナさんと一緒に行った方がいいと思うのです!

サリナさんはずっと留守を守ってますけど、ヨシノブさんと一緒に行きたいのだと思います。」


「サリナと?うん、そうだね、たまには一緒に行かないとな、フィリア教えてくれてありがとう。」


「え、ええ!じゃあ二人で一緒に・・・」

「とはいえ、護衛もいるからな、ルイスとマルドラド兵を・・・」

「いえ!此処は子供達を連れていってあげるべきかと!」

フィリアは強くねじ込んでくる。


「子供達か、確かに強くなってるし、たまには里帰りの意味でもいいか。」

俺はフィリアの言葉を採用して、サリナと子供達を連れてマルコス商会の補給の為にマインズ王国に向かう事にする。


ヨシノブと話し終わったあと、フィリアはシモと話している。

「フィリア、いい子なのよ。」

「こ、これでいいんでしょ、でも、なんでルイスさまと引き離そうと?」

「おとうさんとおかあさんには二人の時間が必要なのよ。

そしたら、家族が増えるのよ。」


「そ、それって・・・」

「フィリアも味方してくれるよね?」

シモの目が妖しくそして、鈍く輝く。


「わ、わかってるわよ、でも、交渉の協力もお願いだからね。」

「私達は仲間には優しいのよ。

フィリアも仲間でいるのよ?」

マインズ王国の路地裏で育った子供達は黒い手段も平気だった・・・


「ヨシノブさん!なんで私は留守番なのですか?」

ルイスは抗議にくる。

「ごめんよ、この基地を空には出来ないし、

子供達の祖国はマインズ王国なんだ、たまには里帰りさせてあげないとね。

だから、今回は留守番をお願い。」

「うーそれなら私も!」

「いや、ルイスが連れてきた兵士の事があるだろ?

指揮権を持つ人がいないとね。」

ルイスは恨めしそうにこっちを見ている。

「ごめんって。今度埋め合わせはするから。」

「本当ですね、帰ったら埋め合わせしてもらう事に期待しますよ!」

「わかったよ。何か考えておくから。」

俺は渋るルイスと約束して、マインズ王国を目指していずもで出航する。


出航してから、甲板や船内を子供達は走りまわっている。

「はしゃぎ過ぎて落ちるなよ。」

「わかってます!」

「大丈夫なのよ。」

子供達の返事は明るいものだった。

普段基地で訓練ばかりで息が詰まっていたのだろう。

俺は自分の教育方針が失敗だったかと少し後悔する。

そして、この旅行中はうるさい事を言わずに子供達にはのびのび過ごして貰おうと思っていた。

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