第117話 ルイスがやってくる。

ショウとミキが基地にて休養を始めた頃、ルイスが兵士千を連れてやってきた。

「ヨシノブさん、やっと来れました・・・って何ですかこれはーーー!」

ルイスの叫び声が響き渡る。


「あれ、ルイスどうしたの?」

「どうしたのじゃないですよ、これはいったい何なのですか?

ここは寂れた港町じゃ、なかったのですか?」

「いや、そうだったけど、折角貰ったから改造した。」


「・・・はぁ、そうでした。ヨシノブさんのする事でしたね。

一応、建築出来る人達も連れては来たのですが・・・」

「あー必要ないかも・・・そういえば、ルイスが連れてきた千人はどうするの?」

「もちろん滞在しますよ。この町の防衛の為の兵士ですから。」

「わかった、じゃあ住むところを建てるよ。」

「えっ?」

俺は官舎を建てる。


「何日かはかかるから、兵士の皆さんはそれまでは野営とかで我慢してもらえるかな?」

今ある官舎は何人かは泊まれると思うが千人分となると無理があった。


「一応、ルイスの部屋は俺達の住んでる所に用意したけど、お城程の設備は無いから我慢してね。」


「いえいえ、ヨシノブさんの部屋の設備はお城にも無いですよ。此方こそ宜しくお願い・・・あれ?子供?」

ルイスがふと見ると、ヨシノブとサリナの間に見慣れない子供、シモがいる。

「おとうさん、おかあさん、この人だれなの?」

シモはルイスを指差し、質問してきた。


シモの発言にルイスは取り乱し始める。

「お父さん!お母さん!ちょ、ちょっと何があったんですか、サリナさん!」


「シモ、人を指差してはいけないよ。」

俺はルイスを指差した、シモに注意する。

「わかったのよ、ごめんなさいなの。」


「ヨ、ヨシノブさん!そんな事より説明してください!その子はなんなんですか?」


俺とサリナはシモを含めた子供達について説明した。


「な、なんだ・・・孤児を引き取ったのですね。」

ルイスは二人の子供じゃない事に胸を撫で下ろす。

実際、子供が出来るほど、離れていないのだが。


「そうだね、ショウくんが連れて来たんだけど、サリナと俺が面倒みてるかな?」

「おとうさん、この人だれ?」

シモは無邪気に聞いてくる。


「ルイスはこの国のお姫様だよ、だからこの人なんて言ってはダメだよ。」

「お姫様、はじめまして、ここはおとうさんとおかあさんの家なのよ、お姫様のお家じゃないのよ。」

「シ、シモちゃん、私も此処に住むんだぁ、だから仲良くしてくれないかな?」

ルイスは顔を少しひきつらせながら答える。


「お姫様も住むの?わかったのよ。」

シモはトコトコと何処かに行った。


「ヨシノブさん、個性的な子ですね。」

「ごめんよ、ちょっと人見知りなんだ、悪い子じゃないから大目に見てくれないかな?」

「それはいいのですが・・・」

ルイスは少し不安そうな顔をしていた。


シモは手にした情報を手に子供議会に報告する。

「報告なのよ、おとうさんに新しいメスが近寄って来てるのよ。

でも、此処に住むと言ってたから手出しは出来ないのよ。」

「くっ!おかあさんの立場を脅かす気か!」

「みんな早まった事はするなよ、ヨシノブさんとの約束だ、絶対に傷つけるな。

俺達は裏でおかあさんのフォローをするんだ!」

子供達は裏で暗躍することにする。

あくまでも、ヨシノブの横はサリナの物だと・・・

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