第116話 反省会

説明を受けたマイの顔は真っ赤に染まっていた。

「カエデちゃん説明したの?」

「・・・はい。じゃないとマイが地雷源に突入しそうですから。」

「はぁ、ショウくんとミキさんには悪いことをしたなぁ・・・」

「そうですよ、ヨシノブさんも反省してください!」

「はい・・・」

俺はカエデに怒られていると、真っ赤な顔をしたショウとミキがやってきた。


「昨晩はお楽しみでしたね・・・

ぐっはぁ!」

俺が定番の冗談を言ったつもりだったが、カエデに肘打ちされた。


「ヨシノブさん!反省したんですよね!」

「つ、つい。これを言わないと宿屋の主人になれない・・・」

「誰が宿屋の主人なんですか!」

カエデは非常にお怒りだった。


「ふぅ、あー痛い、

さて、冗談はさておいて、改めてごめん。」

俺は身を正し謝罪する。


「・・・いいですよ、ヨシノブさんには世話になりっぱなしですし。

でも、ノックぐらいしてください!」

ショウとミキは来る前に話し合い、ヨシノブ達を許す事は決めていた。


「いや、ノックはしたよ、でも、返事が無かったから、何かあったらいけないと思ってね・・・」

「それは心配をかけました、

でも、わざわざ鍵を開けなくても!」


「えっ?鍵は開いてたよ?」

「えっ?・・・ほんとうに?」

ショウは少し焦り出す。鍵を閉めたはずなのは自分だったからだ。


「・・・ショウ、どういう事かな?

私の彼氏は露出癖があるのかな?」

「お、落ち着いて、人は誰しも間違いがあると思うんだ。」

「うるさい!大事な時に何を忘れてるのよ!」

ミキのビンタがショウに炸裂した・・・


結果、俺とショウは長い時間正座をさせられている。


「あ、あしの感覚がなくなってきたのです、ミキさん、そろそろお許しを・・・」

「ヨシノブさん!乙女の大事な事を覗き見したんですよね?

もう少し反省が必要ではないですか?」

「ミキ、もういいんじゃないかな?

ヨシノブさんに悪いだろ?」

ミキはショウに冷たい眼を向ける。


「なら、ヨシノブさんだけ解放してあげる。」

「やった!・・・ぐはぁ!」

俺はすぐさま逃走を謀るも足の痺れで動けない!


「そんな、せめて一緒に・・・」

「ショウ~鍵の閉め忘れは大罪だよね?」

「・・・はい」

ショウの正座は続行された。


「おとう・・・ヨシノブさん、楽しそうなのよ。」

通りすがったシモは眼を輝かせ、手をワキワキさせながら近付いてくる。


「シモ、いい子だからその手を下げて。」

「いやなのよ、たまにはシモが遊ぶのよ。」

「ちょ、ちょっと、何かちが・・・あーーー!」

俺はシモに足をもてあそばれ、地獄をみるのであった。

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