第108話 連絡が・・・

俺は洞窟の周辺に通信の基地局を立てる。

これで此処と第一駐屯地間で連絡がとれるようになる。

それは穴が日本の基地局に繋がってる時間限定になるが携帯電話が多少なり、毎日使える事にもなった。

「電話は難しいかも知れないが、メールならある一定時間で送れると思うよ。」

子供達は凄く喜んでいた。

それぞれ友人に連絡をとったりしていた。


その頃日本では行方不明の子供達から連絡が届いた事に驚愕していた。

そして、連絡を受けた何人かがネットに情報を上げてしまう。


「行方不明の友達、異世界で発見!」

「異世界からメール!驚きの事実!」

自身のSNSのカウンターを回すために色々な話をアップしていった。

その結果・・・


「ヨシノブさん、なんか携帯が凄いことになってます。」

子供達のアドレスにひっきりなしに知らない電話やメールが届く。

どれも、異世界に興味があるのか、質問だらけな物、詐欺師呼ばわりの中傷的な物まで様々だった。


「みんな、一度携帯を変えるか?」

俺の提案にうなずく。

そして、家族にのみ連絡がつくようにした。

そして、家族の家にも多数の電話があり、それぞれがアドレス変更、携帯を変えて対処していた。


こうして、俺達は騒動から逃れたが・・・

ツバサとユカリの両親は自身の子供から連絡が来ない事に憤慨していた。

そして、連絡がついているモミジの家に乗り込むのだった。


「なんで、あなた達の子供が見つかって、私達の子供からは連絡がないのですか!」

ツバサの母、ナツコが食ってかかる。

「落ち着いてください、今説明しますから。」

モミジがツバサとユカリの両親に説明を始める。


異世界に行って、私達の子供は親切な人に保護をされて今の状態になっているが、ツバサとユカリは見つかっていない事、

候補として勇者と聖女として奉られているのがツバサとユカリと言う名前だが、保護者がその国に入れない為、確認がとれていない事、

そして、異世界は決して平和な世界ではなく、身の危険があり、既にコウキが保護を受ける前に亡くなってしまった事、子供達の何人かは一生物の傷をおってしまった事を告げた。


「そんな・・・」

最初は食ってかかったナツコも状況を聞き言葉が出ない。

「保護者の方は子供達によくしてくれています。

今は子供達の為に日本に帰る術を探しているそうです。


・・・ですが、私達は何の報酬も与えられないのに、此方から、これ以上要求することは出来ません。

あの方なら、見つかれば保護してくれると思います。」

「モミジさんは保護者の方を信頼なさっているのですね。」


「ええ、正直、帰る術を見つけるのは難しいと聞いております、そうなった場合、あの方の元にいれば、最低限連絡がつきますし。」

「私達の子供はどうするの?連絡もつかないのよ!」

「それは・・・お気の毒ですが私達ではどうしようもありません。

ツバサさんとユカリさんが彼に保護されるのを待つしか、ただ、もし、勇者と聖女として扱われているなら身の危険は無いだろうと思います。」

「ねえ、その保護者の方に話だけでもしてくれないかしら?」

「一応話してはみます、ただ、無理強いはしません。最初にも言いましたが、私達は彼に何もしてあげれないのです。

彼の善意にすがっているだけなのですから。」

「わかってます、でも、どうかお願いします・・・」

「わかりました、私も親の気持ちはわかるつもりです、話すだけはしてみます。」

モミジはツバサとユカリの両親にそう約束するのだった。

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