番外編(ストーリー無視)そうぞうしてみよう最強の武器
暁門の意識の中の真っ白な空間。そこでは暁門とトリセツの二人が立ち尽くしていた。
「これは……トリセツ、急に何の用だ?」
暁門の質問にトリセツは答える。その表情は何故か嬉しそうだ。
『ご主人様の能力把握、そしてトリセツちゃんのコーナ……もとい、おさらいです。本当は各章終わりで挿入予定だったものですねー。どうやら、わたしの人気がなさすぎて没になったようです』
「自分で言ってて悲しくならないのか……」
『でも!そのせいで!わたしの出番が大幅に減ったんですよ!ご主人様も少しくらい同情してくれても良いと思います!』
「その結果、沙生さん離脱以降は爺さんや城悟達の出番が多くなったと」
『少年漫画なら有りだったんでしょうけど、ねぇ。まともにヒロイン無しはどうなんでしょう』
トリセツは苦笑い。
「……話を最初に戻そう。目的は俺の能力のおさらいだな?」
『そうですね。能力のおさらいと、今後こういう武器が作れれば良いなあという内容です』
「俺の能力は『武器作成』、触れた事のある武器を作り出す事と、あらゆるものに『特性付与』を行う事が主だな」
『今作れるのは拳銃、刀、ライフル、ショットガン辺りでしょうか。後はサブマシンガンは欲しいですね』
「俺は手榴弾のような爆弾系が欲しい。ストーンゴーレムの時に役立っただろうし、戦略の幅が広がりそうだ」
『……武器やドローンを爆破してるし要らないんじゃ?』
「……ドローンを爆破するのって勿体ない気がしないか?そ、それに、特性の付与も少なく済むだろ!」
『一体何万円分吹っ飛んだんでしょー。でも、ご主人様変な所でケチりますね』
「根が庶民なんだから仕方がないだろ。無計画に使うよりはマシだ」
『ケチケチしてると女の子に嫌われますよー……って痛!魔石投げないで下さいよ!?』
「いや、すまん。何故か既視感が……ま、まぁ、ガトリングガンや対戦車ライフルなんてものもあるが、もし触れても暫くは扱いきれないだろうな」
『ヒャッハー!してるご主人様も見たいですけどね。ミサイル、対空砲、爆撃機、今後に期待ですねっ!』
「……トリセツ、お前は一体何と戦うつもりなんだ?」
♦︎
『さてサクサクと話を進めましょう。次は『特性』です』
「はぁ……現状だと、武器を作った時に特性が二つ付与出来て、そこから先は魔石を大量に消費する『特性付与』だな」
『燃費悪いですよねーリュック一杯の魔石が一戦で無くなってますし』
「状況に応じて付与出来る強みは有るんだが……燃費悪いのは否定出来ん。また集めないと……」
『『威力』や『弾数上昇』、『衝撃』等は単純に効果二倍と思って良いです。ただし、同じ特性は付与出来ません』
「『威力』を五個位重ねれたら楽だったんだが。五個で三十二倍の威力だろ?それなら、ストーンゴーレムの体も貫通しそうだ」
『サクサク進みそうですけど、戦略も何も無いですねえ……。でもご主人様の良さはあの手この手を思い付いて勝つ所ですから、諦めましょうか。これからも頑張って考えて下さい!』
「それを手助けするのがサポートじゃ無いのか……?」
『……っそういえば!『命中』の使い方は良かったですよ!ライフルとの相性はバッチリでしたね!さ、さすがご主人さまあ!』
「この手の話も最初に話していてくれたら……はぁ……」
♦︎
『さ、さて次は『ホープ』の発展による能力です!『全弾解放』、『兵器操作』、『武器修復』などなど!』
「『全弾解放』は……怖くてスーパーの駐車場以降使ってないな」
『身体強化のお陰で以前のようにはならないと思いますけどね?でも、全弾残ってる『威力』付きのライフルとかだと半身吹っ飛ぶかもしれません!』
「銃なら弾数、威力双方の影響を受ける、か。でも反動が大きすぎて、使い勝手悪すぎるだろ。検証するのも難しいし」
『能力は使いよう、ですよー。でも……ご主人様が頼むのなら、反動を計算してあげても良いですよ?もう、仕方ないなぁ……あっあっ!魔石投げるのは止めて!というか魔石どこから出してるんですか!』
「……他の能力の話をするぞ。『兵器操作』は意識するだけで自由自在に物を動かす事が出来る。ただし、重ければ重い程動かすのが大変で、引き金を引く等の細かい操作はかなりの練習が必要だった」
『その成果が空飛ぶ銃ですねー』
「これについてもトリセツからの説明はほぼ無し。意識すれば手を使わずに武器を動かせますよ!……ってそんな説明で役に立つか!」
『そ、それはわたしが悪いんじゃないです!情報がそれしか無かったんですよう!』
「動かせる物の可否とか、範囲とか分かるものも有っただろうが!」
『ご主人様がどうせ検証するし、別に良いかな?って……て、てへっ』
「わざとらしく首を傾げるな。……もし次したら縛って放置するからな」
『あ、ご主人様はそういうプレイがお好きなんですか?それなら——ってやめてやめて!冗談ですよう!やめてー!』
「はぁ……『武器修復』は、魔石を使用するが使用できる新品同様の状態に戻す事が出来る。それは細かく部品にバラしてあっても元の形状にする事が可能……以上だ」
『ご主人様は主に弾の補充に使ってますねー』
「ちなみにこの能力についても……いや、もういい……」
『どうしたんですか!?ご主人様元気無いですよ!?』
「お前のせいだろうが……」
『なら、お疲れのご主人さまを癒やしてあげましょう!』
「いやいらん——」
トリセツは頭の両脇に手の甲を当て、首を少しだけ横に倒す。
『ざ、残念、ゼロごりら……?』
トリセツは——自分でやっておいて顔が真っ赤になっている。
「……っ!」
それを見た俺は咄嗟に口を押さえ、トリセツから顔を背ける。
いや、恥ずかしいならやるなよ!自分からやっておいてその反応は無いだろ……!
『……ふっ、ふふー!わ、わたしの可愛さに、言葉も出ないみたいですね!?』
「一体何してるんだよ……」
『ほ、ほらほら!いつもみたいに返してくれないと恥ずかしいんですよう!』
「あ、ああ……そう言えば俺の妹も良くテレビとか真似してやってたな……小さい頃だが……」
『へ、へぇ……』
「妹も、あの頃
そこでトリセツの表情が凍りつく。
『あの頃
「……ん?ああ、あの頃
トリセツが急に笑い出し、俺は戸惑ってしまう。
「お、おい、どうした?」
『『
「お、おい!なんでトリセツが……いやそれよりもその武器はなんだ!?」
『さあ……そろそろお目覚めの時間ですよ……?』
「何か気に障ったなら謝る!だからその武器を降ろして——『ふふ……もう遅いですよ?『
——そうして、俺は目を覚ました。
俺の意識の中でトリセツに会った気がするのだが……不思議と記憶が無い。それは何故なのだろうか。
『第一回 想像してみよう最強の兵器』完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます