第59話話
「はぁ・・・・・・美味しかった」
満足満足とお腹をさする。
あまりの美味しい朝ご飯に食べ過ぎてしまった。
「王蘭様、今日はこの後南明様が話を聞きに来るそうです。紅花様は女官が用意されているそうなので一度宮にお戻りになりますか?」
春さんの言葉に紅花ちゃんは少し考えると、頷いた。
「そうします。いつまでも王蘭様に甘えてばかりいられませんし、春さん、凛々さん美味しい食事をありがとうございました。春さんはこれから数日よろしくお願いします」
紅花ちゃんが二人に頭を下げる。
「おやめ下さい!紅花様まで王蘭様のようにならなくてよろしいんですよ!私達はお仕えするのが仕事なんですから」
春さんが慌てて紅花ちゃんに説明している。
「それでも私は王蘭様のようになりたいです」
「可愛い!紅花ちゃん本当にいつでも来ていいからね!」
「はい!」
紅花ちゃんからは笑顔がたくさんこぼれるようになっていた。
春さんは渋い顔をしながらも諦めたのか何も言わずに苦笑していた。
紅花ちゃんの宮に行く支度を既に終えていた春さんは南明様が来る前に紅花様を連れて行ってしまった。
「王蘭様どうしましょう、私一人で王蘭様のお世話できますでしょうか?」
凛々は春さんが居なくなり急に不安になったのかオロオロとしだす。
「大丈夫よ、凛々なら出来るわ。それに大変なら私も手伝うからね」
「王蘭様・・・・・・ありがとうございます!私頑張ります!」
凛々はやる気を出して早速掃除をすると、部屋を出ていった。
「なら、私も自分の部屋くらい片付けようかな」
手始めに寝ていた寝具を整えようと部屋に向かうと・・・・・・
「あれ?」
もう既に部屋が綺麗になっていた。
どうも春さんが私達が食事をしている間に片付けていたようだ。
「うむ、こりゃ春さんがいないのはかなり大変かもな・・・・・・」
明日からが怖いなと、私はやる事は無いかと凛々の元に向かった。
◆◆◆
南明は朝から王蘭様の部屋へと向かっていた。
すると、あと少しで着くところで女性の悲鳴が聞こえてきた!
「きゃあー!」
南明は一緒に来ていた兵士達と顔を見合わせると急いで王蘭様の元に向かった!
すると、王蘭様の警備の兵士がのんびりと入口に立っている。
「お前達!何をしている!今の悲鳴が聞こえなかったのか!」
警備兵は突然の上司の登場に慌てて姿勢を正した。
「な、南明様おはようございます!いえ!あれは・・・・・・」
兵士が説明しようとすると、
「きゃあああ!王蘭様ー!」
中からまた悲鳴がする。
「どけ!」
南明は兵士達を押しのけて部屋へと飛び込んだ!
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