第6話
「うーん…」
調べるために屋根裏に入ったものの、毛が落ちているだけで特に変わったところがない。
変な感じも…いや、奥から変な感じがする。
「これは…箱か」
割と大きめの、それこそ大人の人間が入れそうな程度の大きな箱。
…さっきの毛むくじゃらが入っていたものだろう。かなり嫌な感じがする。
燃やしたりして処分した方がいいだろうから処分しておこう。
放っておいてもいい事はない。
中は見る必要はないだろう。どうせろくなものじゃない。毛だらけだと思うし。
箱の中からはそこら中に落ちている毛と同じ邪気しか感じない。
「…ただ、この箱がなぜここにあるか、が気がかりだね。割と最近まで中に入っていたようだし、無月たちの荷物とは考え辛い」
もしそうなら中を確認するはずだし。
割とぼろぼろな箱で結構埃をかぶっているから、数十年は放置されていた感じだ。
…明日、いつからこの家に住んでいるのか聞かないとね。
「ほかに変なものはー…壁に何か貼ってあるね。お札?」
ずいぶん古いお札だね。
効力も…込められた力にしては長持ちしたみたいだけど、とっくに効力を失っている。
封印するため…というより、この空間に閉じ込めるための物みたいだ。
封印をするのなら、壁に貼るのではなく箱に貼るはず。
それにしても…うーん?このお札、どこかで見た記憶がある。
どこだったか…。割と遠いとこだったのは覚えているが…。
これでもかなりの時を生きているし、他の神社に遊びに行っていた時期もあったからたぶんその時に見たものだろう。
「…少し時間をかけすぎたね。そろそろ無月のところに戻ろう」
箱は神社で処分するとして、お札はまた明日調べればいいしね。
…はぁ。今日は久しぶりにこんなに動いたから少し疲れたな。
稲荷寿司が食べたい…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます