第2話

「うーむ…?何やら嫌な予感…というよりかは、胸騒ぎ?がするのう…。森も騒々しい…。何もなければいいのじゃが…。一応、様子を見に行ってみるとするかのう」



微かに邪な気配を感じるのだが…あまり強くはないし、なによりここらの山は私の領域だから、暴れるようなやつはいないと思うんだけど…。













「はぁ…はぁ…!」


「-----!!!!!」


「逃げないと…!はやく、速く…!!」



轟音が響く。木々が倒れる音。後ろから迫ってくる化け物の唸り声。

逃げないと食べられちゃう…!でもどこに逃げれば…。



「そうだ、神社…!」



お稲荷神社。そこにいけば、神様が助けてくれるかもしれない…!



「あっ!」



木に躓き、転んでしまった。嫌だ、いやだ!死にたくない!



「-----!!!!!」


「ぁ…あ…だ、誰か…」


「狐火」


「----!!??!?」


「え…?」



狐の耳と尻尾が付いた白い女の子が私と化け物の間に入るようにして現れる。

鳥居の上に座っていた女の子。



「人間を襲う事しかできない小物が。私の領域で人間を襲うなど、全くもって罰当たりなものじゃ。ましてや、私の加護を持つ人間に襲い掛かるなど…。お主、大丈夫か?」


「う、う「ーーーーー!!!!」


「…やかましいのぅ。その耐久力。貴様、単に人間を襲ってただけじゃないな。同族…それもかなりの数を喰ってきたようじゃのう。それにしては力が弱いが…」


「---!!!!」


「理性を感じぬな。…私の後ろから離れぬように。…さて、貴様を放っておくわけにはいかぬ。ここで祓わせてもらうぞ」





――――




「さて、貴様を放っておくわけにはいかぬ。ここで祓わせてもらうぞ」



祓う事自体は簡単な事。

私の場合は霊力を当てるだけでたいてい消滅する。

ただ、今の私は神様。せめて、神様らしく祓うとしよう。



「ほれ」



と、言っても、私の霊力が宿ったお札を貼るだけ。



「さようなら、じゃ」



光に包まれるようにして化け物が消えていく。

…かなり弱く霊力をこめたんだけど、まだまだ強すぎたかもしれない。

ただ、普通は暴れるはずだが、お札を貼っても暴れなかったな。

相当に弱っていたのか?



「おお、そうじゃった。お主、大丈夫か?」


「う、うん…ありがとう…」


「お礼を言えるとは、いい子じゃな。どういたしましてじゃ。…ここで話すのもなんじゃな。私の家に来るとよい。と、言っても、神社なのじゃが」


「神社に住んでるの…?」


「うむ。神社の中には入れないようになっておるじゃろう?私以外には入いれないが、神社の中はちゃんとした家になっておる。ほれ、行くぞ」


「わ、わっ!?」



お姫様抱っこして運ぶ。

これが一番早いし楽だからだ。




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