L-1:: コンパニオン

 辺境の灯台にあかりがともる。八本腕のドロイドが古代の巨大な鍵盤楽器を打ち鳴らす。八百八十八の鍵盤。耳慣れない音、でも懐かしい音。軽やかに、ゆるやかに、舞踏場を包み込む。パーティまではまだ少し時間があるけれど、人々がぱらぱらと集まり始めていて、わたしはそこに覚えのある顔を見つけ、軽く微笑みかける。

 わたしはこの音楽の種類ジャンルを知っている気がする。――ジャズ。そう、ジャズというやつだ。たぶんそのジャンルが生まれてから何百年も後に作られた、何世代目かも分からないジャズ。でも〈大崩壊グレート・フォール〉よりさらに百年も前に作られたであろう曲。いにしえの曲。美しい曲。真っ暗で真っ黒な宇宙を照らしてくれる音楽。

ご主人様マム、今日のお相手はいないということで、よろしかったですね?」

 赤眼レッドの〈コンパニオン〉がわたしに問いかける。腰まである漆黒の髪が艶やかに揺れ、彼女は今日も美しい。

「そうよ、だから、好きに楽しんで。この辺境の宇宙港みなとで、こんなに趣味の良い音楽を聴けるとは思わなかったでしょう?」

 わたしはそう言って、黄眼イエロー緑眼グリーンにもちらと目をやる。

「承知しました、ご主人様マム

 微笑をたたえて三人が同時にそう答える。それは見事なタイミングで揃い、でもほどよくばらけた声だった。

 わたしの〈コンパニオン〉。彼女たちはみな完璧な美貌をもっている。遺伝子組み換えシンセティックではない。赤、黄、緑の宝石のような瞳の色、輝くばかりの黒髪、均整の取れた目鼻立ち、そしてすべての人間の視線を捉えて離さない肉体、それらは全て彼女たち自身のものだ。わたしが自分の宇宙船ふねで飛び、自分の目で見て探し求めた最高の女たち。

「あなたたち、お酒は?」

「まだ結構です、ご主人様マム。このお茶が残っていますから」

 見れば三人とも、良い香りのする温かい飲み物を持っていた。いつのまに取ってきたんだろう。まあいいや、わたしはお酒をもらいに行こう。

 ひとりで少し歩いてカウンターに向かう。そこにはバーテンダーのドロイドが一体だけいた。やけに旧式のドロイドで、似合わない正装をして突っ立っている。でも、その旧式っぷりが、この古めかしい装いの舞踏場になんだか馴染んでいるようにも見える。

自然酒ナチュラル、何がある? 乾杯酒じゃない方がいいわ。乾杯なんて、しないから」

 わたしがそう訊ねると、そのドロイドは恭しく答える。

《いらっしゃい。二十年もののマリネリス・ウォッカがありますよ。珍しいでしょう?》

 わたしは火星のお酒のことよりも、そのドロイドの固有識別番号I Dに驚いた。それはマーカス――この港の管理者――のものだったからだ。マーカスとはさっき入港審査で話したばかりだ。でもそのときは、いつものように声だけが聞こえてきて、入港の目的とかそういう退屈なやりとりを交わすだけだった。マーカスは人工知能で、決まった身体を持たないけれど、この港で一番偉い。

 だから、こんな空間で、古びて正装して、ちょっと滑稽なドロイドの形をしたマーカスとお酒の話をするのは、すごく違和感がある。

「あら、マーカス? マーカスでしょ? あなた、いつからバーテンダーになったの?」

《サプライズですよ、リサ様。私が隠しているちょっとした余技のひとつ。美味しい古いお酒のことを知っているんです》

 わたしは少し首をかしげる。

「だって、あなた、人間じゃないんだし、お酒なんて飲めないでしょう? それに、まさか管理者マーカスともあろうものが、そんな古びたドロイドの身体におさまるなんて」

《ご心配なく、私の身体は、このですから。このドロイドはそのほんの小さな一部に過ぎないのです。私の意識の概念は皆さんとはちょっと違っていて、私はこの港のんですよ》

「そう。なら、良かったわ」

 わたしのその返答はマーカスには少し投げやりに聞こえたかもしれないけれど、だってそうとしか言いようがなかったんだ。マーカスはこの港そのもので、バーテンダーでもあって、それはとても良いことなんだから。

《さて、どのお酒にしましょうか。他にもエウロパの――》

「そんなところのお酒は、嫌ね。じゃあマリネリスのにしようかしら。ロックでね」

《かしこまりました》

 マーカスの声をもったドロイドは、また恭しく頭をさげる。入港審査のときはマーカスは強い権限をもった審査官なのに、それがこんな風にすべてのお客さんに頭を下げているのは可笑しなことだ。もちろん、マーカスにとっては一種のなんだろうけど。

 見渡すといつの間にか、てんでに着飾った怪しげな連中で舞踏場はいっぱいになっている。もうすぐパーティの始まりだ。

「クラシックで、随分と素敵な舞踏場ね。好きよ」

《それは光栄です。リサ様も今日は一段とお美しい》

「やめてよ、見え透いたお世辞はうんざり」

《お世辞ではありませんよ、ここではリサ様が例外的存在なんです。あなたみたいな人が、こんな辺境の港に足を運んでくるなんて》

 そう言いながら、ドロイドは二十年もののマリネリス・ウォッカを差し出した。氷がコロンと音を立てる。

「そうかもね。今日は見知った顔も少しはいるけれど、見たこともない怪しげな連中が多いわね」

《ははは。貴女あなたに敵う人なんて、この宇宙に多くありませんからね。停泊している〈パレス〉、皆さんの注目の的ですよ》

 わたしの宇宙船は宮殿パレスと呼ばれている。

「ふふ。嬉しいわ。ウォッカを、ありがとう。マーカス」

《良いパーティを》

「おい!」

 突然、背後から低い男の声が響いた。わたしは振り返らず、少しだけ肩をすくめた。嫌だな、どこから野蛮人が紛れ込んできたの。

「こっちは待ってんだよ。さっさと酒出せよ」

 何を急いでいるの。

 わたしは振り返る素振りも見せず、マーカスにもう一度微笑むと、ゆっくりとその場を離れた。

 少し離れてから振り返ると、そいつはスキンヘッドの大男だった。もう酔っぱらっているのか、あるいはるんだろう。バーテンダーになにやら声を荒げているが、当のマーカスは顔色ひとつ変えずに飄々と対応している。まあ、旧式のドロイドには顔色なんて変えられないんだけどね。

 わたしは〈ウェブ〉に接続して、スキンヘッドの男をそっとスキャンする。ここは辺境だけれど、マーカスの計らいでこの港の周辺は特別に〈ウェブ〉がなっていて、情報には不自由しない。まるで地球にいるみたいだ。

 すぐにスキャン結果が返ってくる。スキンヘッドはただのチンピラの類のようだった。ピサロの刻印ハーブも持っていない。ピサロのハーブを持っていないということは、ピサロの庇護下にないということで、つまりこの辺境では、どんな目にあっても仕方のない人間ということだ。

 わたしはすっかり興味をなくして、三人の〈コンパニオン〉のところに戻った。彼女たちもとっくにお酒を飲んでいた。

「あら、どうしたの? それ。カウンター他にもあった?」

「ドロイドがプレートにぎっしりグラスを並べて巡回してますよ」

 と黄眼イエロー

「あ、そうなの」

 そう答えてわたしは、そのドロイドもマーカスなのかな、と少し考える。

 すると舞踏場全体にマーカスの声が響き渡った。

《皆様、今宵はよくお集まりくださいました》

 ドロイドに宿ったマーカスではなく、港の管理者としてのマーカス。いったい彼は何人いるのだろう。その声はこの宴の趣旨とか毎年開催されるに至った経緯とかを滔々と述べているが、わたしは特に関心はない。要は、この港によく足を運ぶ連中の定例交流会のようなものだ。

 この港は、小惑星帯に無数にある大小の宇宙港の中では中規模のもので、治安もさほど悪くない。人々からは、〈パナマ〉と呼ばれている。名前の由来はよく知らない。たぶん、ただの固有名詞だろう。

 一通りの口上を述べ終えると、マーカスは少しぎこちないその電子音声をいつもよりさらに少しぎこちなくして言った。

《それでは、乾杯》

 チン、チン、と、グラスが触れ合う音が折り重なって響く。〈コンパニオン〉たちも楽しそうにお互いに乾杯をしている。わたしは一人でロックを少しなめた。

 この舞踏場はさほど大きくはないし、きらびやかというわけでもない。たとえば地球の、ノース・インペリアル・シティの宮殿へと続く大路を歩けば、こことは比較にならないほど大きく、美しく、宇宙で最高の舞踏場や劇場が並んでいる。でも、この辺境の港には、ちょっと懐かしくてほっとするような素朴さがあって、それと同時に洗練がある。きっとマーカスのセンスなのだ。

 もういちど軽く全体を見渡したが、お世辞にも親しいと言える人間はいない。でも何人かの顔見知りが、わたしのところに挨拶に来てくれた。このあたりを根城にして虚勢をはっている密輸商人の類もいる。くだらない人間だが腐れ縁というやつで、わたしは嫌いではない。対照的に、それなりの地位のある人たちもいる。彼らにこんな宇宙港みなとで会うのは少し意外だった。とくに驚いたのはフォボスの行政長官。休暇中だと言っていたが、この場所は似合わない。それから、木星の〈都市ステーション〉のうち、比較的大きなやつの総督もいた。彼女はとりわけ辺境に、つまり人間の世界の端っこに住んでいるわけなので、ずいぶんと聞き取りづらい発音の標準語マンダリンを話す。まあそれも、この辺境の港にひとつの趣を与えてくれている。

 彼らはみんな、わたしのことをファミリーネームで呼んで、恭しく頭を下げる。手の甲にキスをしたりだとか、古めかしい挨拶をしてくる男もいる。わたしは彼らに微笑み返し、最大限に優美な物腰で社交辞令を言う。

 でも、話に花が咲くなんてことはない。しばらくすると、わたしはまた一人でロックをなめていた。彼らは、遠慮しているのか、わたしを怖がっているのか、嫌っているのか、分からないけど、皆よそよそしくて、長くは話したがらない。まあ、いつものことだ。わたしと大っぴらに交流することにを感じる連中が多いのだろう。とくに、パートナーを連れてきているような連中は、わたしの正体を決して相手に知られてはならないのだ――ボロが出る前に話を切り上げたいのだろう。表向きは、わたしは芸能ショービズ関係の人間ということになっている。

 そうして一人でちびちびやっていると、舞踏が始まった。曲はジャズではなくなり、古代の東洋を思わせる管楽器の音色が響き始める。

 円筒形の空間の中央に、ひらひらとした鮮やかな古代の衣装で着飾った男女数人が現れて、まるで重力などないかのように上下左右に飛び回る。そのたびに、身にまとわせた七色の光の粒が撒き散らされる。それは観客の頭上までやってきて、はじけ、わたし達の視界を七色に染める。大きな歓声が上がる。

 こんな辺境でこんなものが見られるなんて、やはりマーカスはただ者ではない。

遺伝子組み換えシンセティックですね。ただの人間にあんな動きは無理」

 横でやはり見とれていた黄眼イエローが言った。

「そう、この踊りのために、生まれてきて死んでいくひとたち」

 赤眼レッドがそれに呼応する。

 わたしはそんな〈コンパニオン〉たちの話なんか無視して、ただ舞踏に目を奪われている。

 しかしふいに、横にさっきのスキンヘッドが立っているのに気が付く。

 何しに来たの。野蛮人が。

 そいつが見ているのは、わたしではなかった。〈コンパニオン〉たちのことだ。

「お姉さんたち、モデルさん? 有名なの?」

 わたしは思わず失笑する。なんだ、こいつ。わたしが誰かなんて当然分かっていないのだろう。

 〈コンパニオン〉たちが無視を決め込んでいると、

「こんなとこに似つかわしくねぇなぁ。肌が違うね。そうだ、俺とちょっと抜け出そうぜ? おい、聞いてるのか?」

 は? ラリるにも限度というものがあるだろう。

 この舞踏場の周囲には、わたしのドロイドを何体か目立たないように配置させてもらっている。マーカスの厚意で、わたしだけ特別だ。ドロイド達はすでにスキンヘッドに照準を合わせている。でももちろん、わたしはパーティの最中に銃撃騒ぎを起こすような人間ではない。

 わたしたちが絡まれているのを目ざとく見つけた顔見知りの密輸商人が、助け舟を出そうとしたのか、やけに男らしい顔つきを作って近づいてきた。けどわたしはそっと手で彼を制止する。するとその商人は、一瞬静止したあとに察したような顔をして、やれやれといった感じでかぶりを振って去っていった。

 スキンヘッドはそんなことには何も気づかずに、ぐいと手を伸ばしてきて、ドレスからのぞく緑眼グリーンの肩をつかもうとする。同時に、舐め回すような視線が彼女に絡み付いてゆく。

 その肩はお前みたいな貧乏人のために出してるんじゃない、そんなことも、分からないのかな?

「いいわよ」

 わたしはポツリと緑眼グリーンに言う。

「いいんですか?」

「ただし外で、ね。マーカス以外に見られないように」

「マーカスが見ていても?」

「このパナマは彼の身体だから、彼はすべてを見ているわ。でも大丈夫、わたしには甘いから。それに彼はだからね」

「承知しました、ご主人様マム

 緑眼グリーンが微笑む。

「おいてめえら、何をブツブツと――」

 そう声を荒げたスキンヘッドの方へ、緑眼グリーンがついと歩み寄った。予想外の展開だったのか、スキンヘッドは反射的に少し身を引いた。本当に気持ちが悪い。しかし緑眼グリーンは、有無を言わさぬ所作で、決然とした微笑を湛えて、男の腰に手を回した。

「ここじゃダメ、外に出ましょう」

 上目遣いの緑眼グリーンが男の顔を見る。スキンヘッドは見るからに困惑している。しかし気を取り直したのか、数秒するとまた性欲の権化のような顔つきになり、緑眼グリーンの肩に手を回した。

「へへへ、話がわかるじゃねぇか」

 スキンヘッドはそう言ってわたしの顔をちらりと見たようだった。しかしわたしはもう男の方なんて見ていなくて、美しい舞踏に視線を戻している。赤眼レッド黄眼イエローもとっくに無視を決め込んで、お酒を楽しんでいた。

 喧噪の間を縫うようにして、緑眼グリーンとスキンヘッドは二人、舞踏場の外に出て行く。

 舞踏はまだ続いていて、歓声が上がり、時おり大きな光の粒が目の前ではじける。

 わたしはまた少し、マリネリス・ウォッカを舐める。黄眼イエロー赤眼レッドは、いつのまに持ってきたのか、美味しそうなパイを食べ始めた。

 いいな、わたしも、もらってこよう。 

 ほどなくして、緑眼グリーンが一人で戻ってきた。

 それと同時に、パイをプレートにぎっしりと載せたドロイドが巡回してくる。ナイスタイミング。わたしは運がいい。

「死体は?」

 ドロイドを呼び止めてパイを選びながら、わたしは緑眼グリーンに尋ねた。このドロイドはマーカスではないようだった。つまんないね。

「ダクトから外に」

 緑眼グリーンが答える。

「血は?」

「出ていませんよ、あの方は死んだことにも気づいていないでしょう」

「さすがね」

「恐縮です、ご主人様マム

 緑眼グリーンはそう言ってついと頭を下げる。何度見ても惚れ惚れするほどの、洗練された所作だ。

「マーカスはと思うけど、おとがめはないわよ。じゃあ、この件はこれで終わり。あなたもパーティを楽しんで」

「ありがとうございます、ご主人様マム

 緑眼グリーンは再びお辞儀をすると、次のお酒を取りに行った。


 彼女たちは、完璧な存在だ。

 わたしの宇宙船パレス。その頂点に立つ三人の〈コンパニオン〉。

 完璧な存在を手元に置き、選ばれた人間に派遣する――そうするだけでわたしは、なんだって手に入れることができる。

 お金だけじゃない。いったん確立した評判というのはそれ自体が資本だから、上質な客は上質な客を紹介してくれるようになるし、次から次へと正のフィードバックがかかって驚くほどうまく回る。そうして得られたネットワークは、この宇宙の政治勢力を横断しているから、わたしは誰からも自由な存在になれる。手に入れたコネクションを上手に使えば、いろいろなことが思い通りになる。それを足掛かりとして、わたしはそのうち、もっとたくさんのものを手に入れることが出来るだろう。

 けれど、わたしの年齢は〈コンパニオン〉たちと十も違わないし、見た目の年齢トシだったらぜんぜん違わないと思うから、わたしがご主人様マムと呼ばれているのは傍目にはちょっと変なことかもしれない。それにわたし自身、この仕事を始めたときは戸惑いや居心地の悪さもあった。でも今は、そんなことはない。後ろめたいことなんて、ない。わたしは彼女たちに人間らしい暮らしと、チャンスを与えたんだ。彼女たちは自ら望んでこの仕事をしている。その容姿だって、源となる遺伝子は持って生まれたものだけど、そこから完璧な美しさを結実させたのはわたしの仕事だと言って良い――美容にも、食事にも、住環境にも、それから教養のためにも、お金をかけてあげた。もしもわたしが拾わなければ、彼女たちは辺境の奴隷スレイブのまま、人間として扱われることもなく、どこか薄汚れた場所で痩せ細って朽ちていくだけの存在だったのだから。

 かつてのわたしと、同じように。


 いつの間にか、舞踏は終わっていた。

 音楽が消えて、どこか物寂しくなった会場は、でもガヤガヤとした喧騒に包まれている。わたしは巡回しているドロイドからワインを受け取る。

 ふと気が付くと、わたしの背後に、さっきのバーテンダーのドロイドが立っていた。

 いつの間に来たのだろう。相変わらず正装をして、ただそこに突っ立っている。手には何も持っていない。

「……マーカス?」

 どういうわけかそのドロイドの顔は、さっきとはうって変わって、なんだか魂が抜けたように無機質に見えた。

「どうしたの? こんなところにいたら、カウンターが留守になってしまうよ」

 ドロイドは何も答えない。会場の喧騒が少し、遠のいたような気がする。〈コンパニオン〉たちは少し離れた場所で談笑しているようだった。

「わたしにお酒を持って来てくれた、わけではないのね」

《……リサ様》

 ようやく口を開いたそのドロイドの旧式な機械音声が、少し寒々しく響く。

「あなたは、マーカス? それとも、ただのドロイド?」

《……リサ様、少し困ったことになりました》

 その表情は相変わらず無機質なままだったが、口調だけはいつものマーカスに戻っていた。

《ピサロ様から、お伝えしたいことがあるそうです。パーティの途中で大変恐縮なのですが、ご同行いただけないでしょうか》

「同行? どこへ?」

 ピサロが? どういうこと?

 本能的に、嫌な予感がした。

 マーカスはわたしの質問には答えずに、繰り返した。

《少し、困ったことになってしまいました》 

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