ひまわり観察にっき。
木立 花音@書籍発売中
ひまわり観察にっき。
【ひまわり観察日記。二年いちくみ。たなかみよこ】
五月初旬。
学校のしゅくだいで、きょう、ひまわりの種を植えました。
『夏の青空に似合うヒマワリは子供から大人まで人気の花。さまざまな品種があるので、作り比べても楽しいですね』
(ここまでコピペ引用)
三つの鉢に種をうえ、一せんちくらい土をかぶせます。
おおきくなるのに、なんで鉢うえなの? とパパにたずねたら、おおきくなってから花壇に移したらいいんだよ。それまでは、こっちの方がめんどうを見やすい、と言って、うふふと笑いました。どことなく、きもちわるいですね。
これはひまわり。おれはおまわり、なんてギャグでも思いついたのでしょうか?
あ、わたしのパパはけいさつかんです。
五月中旬。
一しゅうかんほどで、たいぼうの芽がでてきましたよ。
某天空の城よろしく、左から、パ〇ー、シー〇、ムス〇と名前をつけましたよ。
「芽がー!!」なんちゃって。
五月下旬。
ひまわりもだいぶおおきくせいちょうしてきたので、花壇の方に移しました。
でも、おかしいな? ひまわりにしては茎が細いというか、たよりないというか。日の光が、たりないのでしょうか?
家族のなかでいちばん(ある部分が)光っているおじいちゃんに、ひまわりの側でずっと立ってて、とおねがいをしてみました。
ことわられました。
そくとうかよ。
かわいい孫の宿題なのだから、協力してほしいものです。ぷんぷん。
六月初旬。
ひまわりもおおきく成長してきました。でも、やっぱり茎が細い? ママにそうだんしてみたら、つるがうまく絡まるよう、棒を立てるといいよ、と言われました。ひまわりって、おったつまでは、時間がかかるのですね。
立ててみると、棒を支えにしてみんな上手に伸びてるみたい!
これでこそ、太陽にむかって咲く花だよね?
でも、かんかくが近すぎたのか、〇ズーの体が隣のシ〇タにからまってしまいました。
くんずほぐれつだね、と言ったらママに怒られました。なんで?
六月中旬。
また来年も、ひまわりの花を植えられるよう、種がとれるといいな!
よーし、わたしもちょっとだけ、サポートしちゃうぞー。
計画をいまからたてておきましょう。花が咲いたら、パ〇ーのおしべを、〇ータのめしべに──あれ? なんで書いてる途中で消しちゃうのママ?
六月下旬。
ひまわりはぐんぐん伸びています。
あいかわらず、なんだかなよなよですが。
これではシ〇タの尻に敷かれてしまいますよ、パズ〇。パパのようにならないでくださいね。
七月初旬。
たいぼうの、ひまわりの花が咲きましたよ! うすむらさき色の、とってもかわいい花です!
……っていうかこれ。
「どう見ても、アサガオじゃろがい!!!」
ばしっと絵日記を地面にたたきつけました。
この気持ち、マジで絶叫。
許すまじ、マジで絶許。
プリント見直し真実発覚。
配布する種、ひまわりか朝顔。
最初に言えよマイマザー。
聞かないわたしが悪いのか?
言わないママが悪いのか?
一寸先は闇のなか。
諸行無常の鐘が鳴る。
生麦生米生卵。
青巻紙赤巻紙黄巻紙。
「見ろ、ひとがゴミのようだ」
チェケラッチョ。
おしまい。
ひまわり観察にっき。 木立 花音@書籍発売中 @kanonkodathi
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