第2話

「うわああああああああ!!!」

俺は必死になって地竜から逃げまどっていた。

(くそ!!どうしてこうなった!!)

俺はそれなりに頑張っていたはずだ、それなのに、裏切られて殺されかけ、そのまま囮にされるなんて。

確かに俺は父が魔族で母が人間のハーフだ、しかし父は人を襲ったことなんてないし、逆に害獣を追い払ったりして、村の人達には信頼されていた。

自分を囮にしたことも許せないが、父を馬鹿にしたことが何よりも許せない。

(くそ!あいつら!)

だが、今は逃げることに集中しなくては、すぐにあの地竜に追いつかれ、食い殺されてしまう。

…何分経っただろうか。

もう、このまま、楽になりた…「ガアアアアアアアアアアア」

地竜がまた吠えた、体が震える。

「クるなっ!来るなっ!!」

そう叫んだ時だった、体が急に動かなくなった、地竜も何故か動かない。

『種族No.927520554298399270412673936028983が触れたことを確認、適合種族のため、個体No.286378564310421989568949229とコアとの融合を実行…完了しました。個体No.286378564310421989568949229にダンジョンの操作権限を融通…完了しました。個体No.286378564310421989568949229はダンジョンマスターとなりました。…個体No.286378564310421989568949229:ダンジョンマスターの身体が危機的状況にあることを確認、No.394885739027658075632273936656383834983が起こる可能性がある為、マスタールームへ転送させます。』

体に時が戻ってきた、なんだか眠い、地竜から逃げないといけないの、…に…

そして、視界が真っ暗になった。

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