時には海風に揺れる白いカーテンの陰で、時には日常を描くってどういうことだろうという考察と共に、時には書き手が僕になってみたりとか、時には凪いだ波打ち際で、時にはベッドのシーツの上で、時には高原のホテルの暖炉の脇で、私の手はあなたの暖かい手の中に消えるのです。
長編、短編。散文を書かせたら右に出る者のいない、名手・アメたぬき。その右手が詩情をおびると。こうなる。文章というもの、文字というもの、音というものには境目はない。そういう気持ちにさせてくれるリリック集です。あ、まだ読んでない?そりゃ倖せだ。じっくり読んで、言葉の波で浮かんでください。水ぎわはね、いま、波の間に浮いております。このまま沈んで。もはや、戻らぬ決意です(笑)