第5話
第2章 短編集2
第1話 ひとりぼっちの巫女さん1
第1話
小さな山奥の村に小さな社があった。おつとめをするのはあどけない少女に見える巫女さんが一人っきりで。村のおめでたいこと、おめでたくないことを一人で、祀っていた。何かある時に見せる村人は、大抵一人ではなく、一人ぼっちの巫女さんは寂しげにしていた。ある時、祀っられている神様から、頑張って働いているご褒美に「ひとつだけ、何でも願い事を叶えてやる」と聴かされた。あどけない巫女さんは「妹巫女が欲しいです」と無理かもしれない事を願った。すると神様は「お前の身と心とを半分に分け与えてやることが嫌でなければ」その望みを叶えようと約束した。「どんなに苦労をしても妹巫女は大切に守ります」という巫女さんに神様はひとつ試練を与えることにした。その頭にキツネの耳を二つ生やした。巫女さんは知らなかったのだが、その父母が異類婚を行ったから、神様によって封印されていたキツネの耳を露にしたのだ。そして身や心が切り裂かれそうに成る痛みをその夜は堪えた。堪えた翌朝、彼女の前には、青い袴の巫女装束の少女が、すーすーと眠っていた。
了19.10.02.家鴨乃尾羽
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