第3話大水さんと宮崎さん
「一緒に帰ろ!ミズミズ!!」
放課後に友達の宮崎さんに声をかけられた。
「うん、いいよー。帰りにTATUYAよっていい?」
「全然いいよ! ちょうど参考書みたかったんだー!!」
ミヤっちはいつも元気いっぱいだ。
あっ! わたしの名前言ってない!!
わたしは大水 聖子
ミヤっちにはミズっちとか、ミズミズって呼ばれてます。
え? 何であだ名が名字なのか気になる?
それはわたしがミヤっちに頼んだから。
むかしクラスの男子にイジワルなこと言われたの。
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「大ちゃん、大ちゃん!大水さんの下の名前、セイシって言うみたいだよ。」
「え!? そんなまさか……あり得ないよ!」
「ほら、クラスの連絡簿見てみなよ。」
「えーと……あ、ほんとだ!セイシだ!!」
「ちょっと大ちゃん、みんなに聞こえるよ!」
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誰かわからないけど男子がわたしのこと噂してた。
だからなるべくわたしの名前が目立たないようにしてるの。
「ん-、いいの見つからないな-。」
わたしが探してるのはニガテな数学の問題集だ。
「ミズっちはどんなのが良いの?」
「えっとね、わかりやすくて分厚くないやつ」
「え……ここにあるのより簡単な問題集なんて、たぶんどこにもないよ……?」
「えー……じゃあいらないかも。どーせとけないし。」
「ミズっち大丈夫? 受験まで半年くらいしかないよ?」
「うーん……どうにかなるんじゃない?」
「ならないよ! 勉強しなさい!!」
「えー、やだよー。あれ?」
クラスの男子がいる。
松本くんと渡邉くんだ。
「ん? どした?」
「ん-ん。なんでもない、かえろ!」
「あ、まってよー!」
『大ちゃんはやく帰ろうよ-』
『うろさいなー、一人で帰れば!』
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